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今日の午前中、ついにエネルギー増幅装置が完成した。昨日までの疲労は、この達成感によって吹き飛んだ。ホロクロンからの設計図を忠実に再現し、私の技術とシスの知識を融合させたものだ。


私は装置を起動させた。地下の洞窟全体が、フォースの強烈なエネルギーで満たされるのを感じた。それは熱く、重く、そして圧倒的な力だ。この装置があれば、私が持つ力のすべてを、パドメを救うという唯一の目的に集中させられる。もはや、ジェダイの教義に従って力を抑える必要はない。


装置のテストを終え、シャトルに戻った。念のため設置していた通信傍受機が、長距離の共和国軍の暗号化された通信をキャッチしているのを発見した。内容は断片的だったが、ドゥークー伯爵の所在と、それに伴う共和国軍の重要拠点の再配置について話し合っているようだった。どうやら分離主義者との最終決戦が本当に近いようだ。そしてその再配置の動きの中に、コルサントを離れていたはずのオビ=ワン・ケノービの名前があった。


オビ=ワンは、私がここにいないことを知っている。彼が私を探し始めたらどうなる。ジェダイの英雄としてではなく、裏切り者として追われることになる。私はパドメに議長を頼るように伝えたが、もしジェダイが私を追跡し彼女を尋問したらどうなるだろう。彼女の秘密が暴かれるのは時間の問題かもしれない。


私はすぐに次の行動を考えた。この基地でだらだらと研究を続けている時間はない。早くコルサントに戻り、パドメを確保しなければならない。増幅装置を分解しシャトルに搭載した。この惑星で手に入れたシスの知識のデータも、安全な場所に複製し、残りのデータはすべて消去した。


私は、辺境の次の目的地へ向かう予定をキャンセルし、直ちにコルサントへ向かうことに決めた。高速で帰還するため、共和国の監視を無視して最短の航路を選ぶ。リスクは高いが、パドメの安全のためにはこれ以上の遅延は許されない。


23時、シャトルの操縦席で、ハイパードライブの準備を終えた。辺境の夜空は、コルサントよりも星々が鮮明に見える。


私の頭の中は、これからコルサントで起こるであろう衝突のヴィジョンで一杯だ。ジェダイ評議会、オビ=ワン、そしてパドメ。私はすべてを失う覚悟で、力を持って彼らに立ち向かう。今日の私は、ジェダイの英雄でもなければ、シスの暗黒卿でもない。ただ、妻を救おうとする一人の男だ。私はこのシャトルをパドメの元へ向け、ハイパースペースに飛び込む。


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