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夜通しのハイパースペース航行を経て、辺境の惑星に到着した。この惑星は、共和国のどの航路からも外れており、生命反応も極めて少ない。シスの遺物を探すには理想的な場所だ。


シャトルから降りると空気が重く湿っているのを感じた。そしてこの惑星のフォースの流れがコルサントやジェダイ聖堂とは全く異なっている。荒々しく古い。


昼食は残りのレーションを済ませ、すぐに遺物の探索を開始した。最高議長から提供された座標は、古代のシスの聖域の跡地を示している。


私は地表の割れ目からフォースの暗い痕跡が強く放出されているのを感じた。ジェダイは、フォースの暗黒面に近づくことを教えないが、私はその力に導かれるように割れ目の中に降りていった。


地下の洞窟に入ると、壁に古代シスの言語で刻まれた碑文を見つけた。その言語は、フォースの闇の力を増幅するための儀式について記している。その知識に触れるたびに、私のフォースは熱を帯びるように強くなる。だが同時に、心に冷たい恐怖が生まれる。この力は、あまりにも大きく、危険だ。


任務の合間にシャトル内の非登録ホロネット端末で、外界のニュースをチェックした。ジェダイ評議会や元老院とは一切通信できないが、一般的なニュースは傍受できる。


ニュースは、クローン戦争の終結が間近に迫っていると報じていた。特に、ジェダイ・マスターのキット・フィストーが率いる部隊が、分離主義者の重要拠点を制圧したという報道があった。


「戦争が終わる…」という言葉は、私の胸に重く響いた。戦争が終われば、私は英雄としてコルサントに帰還する。しかしその時私はもうジェダイではないかもしれない。そして何より、パドメを失うヴィジョンが、戦争の終結とともに現実になるのではないかという焦燥感が増した。残された時間は少ない。


夜、シャトルの中で今日の記録をつけた。今日の任務で得られたシスの知識は、昨日までよりも遥かに深遠で危険なものだった。


フォースの闇の側面は、生命を救うための力を持つ反面、生命を奪う力も持っている。私は殺す力を得ようとしているのではない。救う力だけが欲しいのだ。この二つが表裏一体であることを、私は理解し始めている。


日記を閉じ、私はポケットに忍ばせてきたパドメのホログラムを取り出した。彼女の笑顔は、この辺境の闇の中で唯一の光だ。


私は彼女のためにこの道を歩んでいる。私が得る力は、彼女が安全に、そして平和に生きるための盾になる。そう信じることでしかこの恐ろしい道を歩み続けることはできない。私は明日も、この孤独な戦いを続ける。


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