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今朝は日の出とともに行動を開始した。地下の洞窟をさらに奥深くへと進んだ。洞窟の壁は冷たく湿っており、フォースの暗いエネルギーが常に私を包み込んでいる。


今日は古代シスのホロクロンに刻まれた記録を見つけた。それはフォースを使って生命を創造あるいは維持する方法についての理論だった。その知識はジェダイが「生命の起源」として不可侵とする領域に踏み込んでいる。私にとってそれはパドメを救うための具体的な設計図に見える。激しい目眩を感じたが手に入れた知識の価値はそれを遥かに凌駕していた。


探索を中断しシャトルに戻った。貨物シャトルの古い長距離通信機を使い短い時間だけコルサント周辺の非公開回線を傍受した。


クローン戦争の最前線で緊急の展開があったようだ。ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥが、コルサントに戻ったという断片的な会話を聞いた。彼は普段、最重要戦線にいる。彼が突然コルサントに戻ったことは、共和国にとって重大な局面を迎えていることを示している。おそらく分離主義者との最終決戦が近いのだろう。


同時にウィンドゥが、あるジェダイナイトの所在不明に激しい苛立ちを示している音声がかすかに聞こえた。そのジェダイナイトは誰なのか。もしそれが私のことだったらどうなる。彼らは私が秘密裏に行動していることに気づき始めているのだろうか。この疑惑が私の胸を強く締め付けた。


探索に必要なエネルギーを補給するため、基地の周辺を歩いて食用になりそうな植物を探した。この惑星の生態系は奇妙だ。見つけた果実をシャトルの分析機で検証し、安全であることを確認した。


その後、シスの儀式に必要な特殊なエネルギー増幅装置の設計図をホロクロンから読み取り、手持ちの部品でその試作品を作り始めた。私は技術者だ。フォースの力だけでなく、確かな技術に裏打ちされた力が欲しい。部品は不足しているが、私はこの設計を必ず成功させる。



22時、今日の任務は完了した。シャトルに戻り、記録をつけている。手に入れた知識は膨大であり、それを整理するだけで時間がかかる。


私はまた、自分のフォースの質が変わっているのを感じた。以前は澄んだ水のような流れだったものが、今はマグマのように熱く、密度が高い。これはパドメを救うための力だ。そう信じている。しかし同時に、この力が私自身を焼き尽くすのではないかという恐れもある。コルサントの騒動、メイス・ウィンドゥの苛立ち、そして私が持っているこの禁断の知識。すべてが終局へと向かっている。私はこの旅を早く終わらせ、パドメの元へ戻らなければならない。私の愛するものを守るため、私は明日も闇の深淵を歩み続ける。


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