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衛星基地を離れる準備に予想以上に手間取り、出発は明け方近くになった。廃墟の基地は予想以上に老朽化しており、最後にセキュリティシステムを解除するのに時間がかかった。


小型貨物シャトルで宇宙に上がり、共和国の監視網を避けるために細心の注意を払って航路を計算し、ハイパースペースに突入した。窓の外を流れる青白い光の筋だけが、今、私の世界だ。


この静寂は、私の心を一時的に解放してくれる。ハイパースペース航行中は、フォースを使う必要もない。ただ、機械の鼓動と、ナビゲーション・コンピューターの小さな音だけが響いている。


航行中、私はジェダイ聖堂のアーカイブから秘密裏にコピーしてきた古代のフォースの知識に関するデータパッドを読んだ。シスが追求した生命の操作や、フォースを使った精神支配に関する記述だ。ジェダイは、これらの知識を「病的なもの」として葬り去ったが、その記述には、パドメを救うための真の鍵があるように思える。その知識を得るためには、感情を捨てて平静を保つジェダイの道ではなく、激しい情熱と意志が必要だという。


私の心には、パドメへの愛という、ジェダイが最も否定した感情がある。そして、その愛から生まれる恐怖と怒りも。私は、この感情こそが、ダークサイドの力を得るためのフォース・ジェネレーターなのだと感じている。


昼食は、昨日と同じレーションパック。今日のメニューは、ベタな味付けの肉シチューだ。だが、一人で食べるこの食事は、コルサントの豪華な晩餐よりも、どこか正直に感じられる。


ふと、戦争が終わった後の生活を想像した。パドメと二人で、このシャトルのような質素な生活を送ること。彼女がナブーの湖畔で私を待ち、私はただの整備士として船のメンテナンスをすること。フォースも、ジェダイも、シスも関係ない、シンプルで平和な日常。


この夢が、私が今、闇の知識を求めている唯一の理由だ。私は、その平和な生活を手に入れるために、一時的に戦士であり、暗黒の探求者でいなければならない。


夕方になって、シャトルのハイパードライブから不規則なノイズが聞こえ始めた。すぐにコンピューターをチェックしたが、異常は見つからない。原因は、私の未熟な調整か、あるいはシャトルの機体の経年劣化かもしれない。


ノイズは徐々に大きくなり、私の不安を増幅させる。宇宙空間でのハイパードライブの故障は、死を意味する。このシンプルな技術的な問題で、私のすべてが終わってしまうかもしれないという現実に、私は無力感を覚えた。


私はフォースを使ってノイズの原因を探ろうとしたが、シスの知識による訓練のせいで、フォースの流れが雑音のように感じられ、集中できない。ジェダイの平静な心と、シスの激しい感情の間の矛盾が、技術者としての私の能力を妨げている。


ノイズは自力で収まり、どうやら一時的なものだったようだ。私は再びナビゲーション・コンピューターを確認し、明朝に目的地である辺境の未開拓惑星に到着することを確認した。


そこは、共和国のどの地図にも載っていない、議長だけが知る場所だ。そこで、シスの遺物を探し、真の力を手に入れる。


日記を閉じ、私は操縦席の窓の外に目をやった。無限のハイパースペースの流れ。私の運命もまた、この光の流れのように、不可逆的な一つの方向に向かって進んでいる。明日、私は更なる闇に足を踏み入れることになる。


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