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6時45分に目覚める。目覚めた瞬間から、全身を嘘をついているという罪悪感が覆っている。まるでフォースが私を非難しているかのように。今日は、議長から提供されたシスの遺物に関するデータに基づき、フォースの闇の側面を安全に研究するための秘密の研究拠点の場所を特定しなければならない。この作業は、聖堂内では不可能だ。


朝食の際、オビ=ワンが私に尋ねた。「アナキン、今日は何か特別な任務があるのか? 君が聖堂を離れるようだという報告を聞いたが」私は冷静に答えた。「ええ、マスター。極秘の戦線査察任務です。元老院の命令で、ジェダイ評議会には報告できない内容です。」これは真っ赤な嘘だ。しかし、オビ=ワンは何も疑わずに頷いた。彼の信頼が、私の胸を締め付ける。私が彼の信頼を裏切っているという事実こそが、私を最も苦しめている。


午前中は、出発の準備を装いつつ、少しだけ訓練場に顔を出した。そこで、マスター・ヨーダが若いパダワンたちに、感情のコントロールについての指導をしているのを目にした。「恐れは、怒りにつながる。怒りは、憎しみにつながる。憎しみは、苦痛につながる」彼の言葉は私に向けられているように感じた。私は彼の視線から逃れるように、訓練用セーバーを手に取り、無謀な動きでドロイドを打ちのめし始めた。ドロイド一体を破壊した際、その破片が近くで訓練していたジェダイ・ナイトに当たり、彼を軽い火傷を負わせてしまった。私はすぐに謝罪し、治療を施したが、そのジェダイ・ナイトの目には、明らかに恐怖が宿っていた。私が感情の制御を失っていることを、誰もが気づき始めている。この力の暴走をコントロールするためにも、私は議長が示す真の力が必要なのだ。



聖堂を出て、コルサントの公文書館の記録をたどり、秘密の研究拠点に適した場所を選定した。選んだのは、旧共和国時代に使用されていた廃墟となった衛星基地。フォースの痕跡が薄く、共和国の監視システムからも外れている場所だ。移動手段も、ジェダイの船ではなく、昨日調達した裏ルートのスクランブラーを搭載した小型貨物シャトルを手配した。私は今、完全に影の存在として行動している。


18時、任務の準備を終え、パドメのアパートを訪れた。数日間、コルサントを離れることになる。今日の夕食は、私が買ってきてパドメと一緒に温めただけの宇宙食パック。それでも彼女と一緒だと心が安らぐ。「いつ戻るの?」と彼女は尋ねたが私は真実を言えなかった。「すぐに。長くはかからない。だが、もし何かあったら、最高議長に連絡して。彼が君を守ってくれる」と伝えた。


なぜ議長の名前を出したのだろうか。その瞬間、私は、彼女を守るためではなく、私自身の秘密を守るために、彼女を議長に預けようとしていることに気づいた。私たちは抱き合ったが、私の心はすでに、彼女の側にいなかった。私が彼女の側にいるためには、遠く離れて力を得るしかなかった。


22時、聖堂に戻り、真夜中の出発に備えて静かに準備を進める。ライトセーバー、予備のエネルギー・セル、そして議長から渡されたシスの遺物データ。データパッドの日記を閉じながら、私は最後の自問をした。私がこの旅で求めている力は、本当にパドメを救うためだけのものなのか?それとも、ジェダイ・マスターたちに私を認めさせるため、そしてこの銀河を支配するためなのか?闇の知識への扉を開けた以上、私はもはやジェダイではない。私は今、影の中へ足を踏み入れようとしている。私の旅が、彼女を救うためのものであってほしい。そうでなければ、私はすべてを失うことになるだろう。


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