4

今朝は、昨日よりさらに体が重い。頭痛も引かない。ジェダイ評議会の会議に出席しなければならなかったが、オビ=ワンには「体調不良のため自室で休養する」とだけ伝えた。


実際は休養どころではなかった。昨晩、最高議長から受けた秘密のメッセージに従い、早朝に彼の私室を訪れたのだ。



議長は私を温かく迎え入れ、特別な薬液をくれた。飲むと、体の重さが一瞬で消え去った。彼の力は、ジェダイの医療技術よりも遥かに優れている。


彼は私に、ジェダイ評議会にも軍にも知られてはならない極秘任務を与えた。内容は、分離主義勢力の指導者ドゥークー伯爵が秘密裏に進めていた古代シスの遺物の調査を引き継ぐことだ。


「この遺物には、フォースの真の可能性を解き放つ鍵がある。ジェダイは盲目的にこれを恐れているが、君のような真の英雄だけがこれを扱う資格がある」と議長は言った。


この任務は、私の心の中でくすぶっていた力の渇望に火をつけた。これは、パドメを救うための「死を欺く力」へと繋がる道かもしれない。私はジェダイの掟を破ることになる。だが、ジェダイ・オーダーはパドメを救ってはくれない。この任務は、私の唯一の希望だ。




議長の指示を受け、昼食は摂らずにジェダイ聖堂の図書館に潜り込んだ。私は、最高議長から教えられたキーワードを使って、シスの遺物について調べた。


記録はほとんどが検閲されており、「ダークサイド」や「シス」に関する記述は、危険で愚かなものとして一蹴されている。フォースの半分を、ジェダイは意図的に無視している。私が求めている真実が、この壁の向こうに隠されている。


私は、遺物の調査に必要な古代語の翻訳データと、遠隔地への航路データを秘密裏に自分のデータパッドにコピーした。これらのデータは、聖堂のログに残らないよう、私の自作した暗号技術を使って隠蔽した。ジェダイの監視を欺くこの秘密工作に、私はどこか興奮を覚えている。




夕方は訓練場に顔を出した。訓練ドロイドを組み立て直しているクローン・コマンダーのレックスに、昨日の私の八つ当たりについて謝罪しようとした。


レックスは笑いながら「ご心配なく、ジェダイ将軍。このドロイドはあなたの熱意に耐えられるように設計されています。ただ、一度、あるパダワンがドロイドに恋愛感情を抱いてしまい、彼らが別れた後、ドロイドを分解してしまったことがありました」と話してくれた。


そのおかしな逸話に、私は久々に心から笑った。だが、笑いながらも、私はレックスに言えない秘密を抱えている。彼の献身的な忠誠心が、私をさらに罪悪感で苛む。



今夜は体調が回復したので、パドメのアパートで夕食を共にした。彼女は、私の顔色が良くなったことを喜んでくれた。夕食はナブー風の魚料理。彼女の笑顔は、私が何者であるか、何をしようとしているかを忘れさせてくれる。


私は彼女に、新しい特別任務のことを話したかった。だが、これは議長との秘密だ。もし彼女に話せば、彼女を危険に晒すことになる。私は、この秘密が、私たちの間の最初のひび割れになることを恐れている。


「戦争が終わったら、私たちはどうなるの?」と彼女は尋ねた。


「戦争が終わったら、誰も私たちを分かつことはできない」と私は答えた。それは真実の誓いだ。そのためなら、私は光と闇の境界線を踏み越えることも辞さない。


私の決意は固まった。明日から、私は議長の任務と、パドメを救うための真の力を求めるための活動に専念する。ジェダイの英雄として振る舞いながら、同時に禁断の道を進む。これこそが、私が銀河の運命を変えるための孤独な戦いなのだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る