第二話

完璧な体を持ってば、人生に幸福が訪れると思っていた。二見翔ふたみ しょうは貴重な休日を利用して、パソコンで機械の体入手方法を探していた。

正直、その行為は無意味に終わった。彼は、午前8時から午後3時近くまで

昼飯も食わずに、ずっと調べていた。で、調べた結果は、そんな方法がないことが

判明した。「ふぅーはぁーはぁー」疲労で疲れ切った。溜息を吐きながら

ゲーミングチェアーに思いきっり背を預け。二見は、自室の天井を見つめた。

就労支援施設の職員との面談で、二見は真剣なトーンで

「俺、機械の体になりたいんだよね」と言うと、それを聞いた。

 職員は「うん。大丈夫だよ」と慰められた。そんな言葉が欲しいわけ

 ではない。二見は、肯定してほしかった。大丈夫の慰めの業務的な

 言葉ではなく。「じゃあ、一緒に探すの手伝うよ」って、職員に

 言ってほしかったんだ。二見は、自室にある。小さな冷蔵庫から

 銀色の缶に入った。ビールをプルタブを上げる。シュワ―と炭酸が

 空気にふれて、外に飛び出す音を聞きながら。それを一気に口の中に

 入れる作業を始めた。酒が好きな訳ではない。ただ、その行為自体が

 好きなだけ。車にガソリンを入れるのと同じ感覚だと二見は

 他の施設の利用者に説明したことがある。「はぁーマズイ。こんなの

 ために、一日仕事は頑張れない。俺は・・・・・・」二見は酒の味は

 嫌いだった。ただ、酒を飲めば。少しでも、自分が機械の体になるんじゃ

 ないかと自己暗示をかけたいだけだった。

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機械の体を手に入れた男 鐘鳴怪 @yo-81u

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