11:【杞人天憂】
読み:きじんてんゆう
意味:心配する必要のない事をあれやこれやと心配する事
見栄え:★★★★★(世界の行く末を嘆く器の大きな人に見える)
残念度:★★★★★(実際のところは小心者の無用な心配を指す)
ギャップ:★★★★★(馴染みのない単語のようでいて実は身近な単語)
解説:
前回が記念の回だったので、今回はその次に紹介する語句としてふさわしいと思える見栄えと残念度を併せ持つ単語を紹介しよう。
先に点数について触れるが、第2回の【天地無用】以来の満点である。
まあ同じ満点といってもあちらは五段階評価だから★5に留まっているだけで、本当はすべてが限界突破しているのだが……
奴の玉座が揺らぐ日は来るのだろうか? 今後に期待である。
話を戻して【杞人天憂】もまた故事成語の一つ。
その中でも最高クラスの残念さを誇るイケメンワードである。
前半の【杞人】とは、【杞】の国の【人】という意味に過ぎない。
問題は後半――【天】を【
【天】とは大概、世界全体を示す文字であり、また世の中の行く末を指すこともある。
それを【憂える】というのだから、ずいぶんと器の大きな人物のようだ。
ただ嘆いているのか、義憤に駆られているのか、使命感に燃えているのか――
筆者のような小市民にその志をうかがい知ることは難しい。
まさに【燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや】といった所である。
この言葉を残した男も世界の行く末を嘆いた人物の一人といえるだろう。
ただし、この杞人を【燕雀~】の男と同列に扱ってはいけない。
この杞人が心配している天の行く末とは、”空が落ちてくるのではないか”ということである。
器が大きいどころか小心者の極みではないか。
落ちてくるわけないだろ、と思わずツッコんでしまうのは正常な反応である。
雷が直撃する方がまだ現実的だろう。
【杞人天憂】とは、このように起こらないことに対してあれこれと余計な心配をすることを指す。
どちらかというと過去形で用いることの方が多いだろうか。
ここで筆者が”用いる”という単語を持ち出した理由だが、この一見すると馴染みの薄い単語、実は現代にも伝わっている日常語である。
意味と文字からピンと来た人もいるかもしれない。
そう、【杞人天憂】略して――【杞憂】である。
知らない単語について学べると思ったら普通に知っている単語で残念に思った方もいるかもしれない。本当に申し訳ない。
このように、よく知っているつもりの身近な単語であっても由来までは知らないということは珍しくない。
知ったところで雑学や豆知識以上になることはそうそうないのだが、知らないよりは知っていた方が多少は心が豊かになる――かもしれない。勿論、ならないかもしれない。
調べてもみないうちからそんなことを考えることこそ、まさに杞憂というものであろう。
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