いくら丼

馬渕まり

いくら丼

「お母さん、ロシア語でикра(イクラ)は魚卵のことなんだ。キャビアもタラコもロシアではイクラさ」


 息子はタラコをほぐしてご飯に載せながら笑った。


「ほら、いくら丼!」


 質素な夕食でも、息子は笑顔を絶やさず食べてくれる。私はそっとヤフ◯クで買った海軍兵学校の書籍及び当時の食器、その他諸々を隠すのだった。


*この話はフィクションです。

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いくら丼 馬渕まり @xiaoxiao2

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