第9話 追いかけろ

 狩りの当日、

 「カケル そっちに回れ、 

向こうに追い詰める。

 そして、そこで仕留める……

追いかけろ!」


 ヒョウが僕の目を見て叫んだ。


 声の聞こえるままに……


 僕は全速力で獲物を追いかけ草原を走る。


「俺らも、回り込むから安心しろ」

 とカイとムウが叫ぶ


「そのまま追いかけろ……」


「わかったよ。ヒョウ 」


 獲物を捕獲するため走り回った僕は、

流石に息が持たず立ち止まった。



 ここは、縄文後期くらい? の日本……

僕は突然、縄文時代にタイムスリップした。

的なことをふと思い空を見上げた。


 「ん?」見上げた空に黒い雲。

 「えっ?」

 と思った瞬間、

眩しい光と共に僕に目掛けて稲妻が走った。


 

 「待て~、待ちやがれ~、この変態野郎!」

 怒鳴り声が辺りに響く。

 

 気がつけば僕は、人に追われていた。


 無理もない……

素足で、毛皮を下半身に巻き付けただけの

ほぼ裸の男が石槍を持って

突然現れたのだから……。


 普通、テレビとかでは、この流れから

すると、自分がもといた時代に

戻れるはずなのだが……

現実は大きく違った。


 ここはどこ?

 

 今度は何時代?

 

 わかっているのは、

『聞き取りやすい日本語』だということ……


 「あの、野郎を追いかけろ~、

そして捕まえろ~」

 

 

 追いかけられる僕は、

どうしたらこの状況を理解してもらえるかを

考えるしかなかったのだ。



 いったい、何がどうなってこうなった?

 そして、この先はどうなるの?

 誰か僕に教えて……

心からのお願いです……。



       ~ 追いかけろ  完~

 

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追いかけろ! え? 僕を?  由南りさ @yaku7227

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