鈴木は優しい男の子だ。

第12話

「清子ってさ、あんな地味なのになんでだろうね?」









































皆さま、こんにちは。

只今の時刻は14時前。


水曜日、最終時間割として2時間続けてあるの体育のためやってきた体育館。


その手前にある女子更衣室前よりお送りしております。








「佐藤くんも鈴木くんも、いい人すぎるんだよきっと」


「でもでも、あの春湖まで親友ポジションにいるじゃん?」


「まあそれは、幼なじみらしいし。あの2人。」


「分かってるけどぉ~……」





入るに入れないクラスメイトらしき彼女たちの会話に、その場で立ち竦む。


体育館から聞こえるわいわいガチャガチャ感たっぷりの話し声らから察するに、更衣室内にはもう彼女たちしかいないのだろう。


それでも、いつ来るか分からないクラスメイトの悪口を言うなら是非とも場所を選んでほしかった。








「ムカつくじゃん。地味でダサくて何の障害もなくひっそり生きてて平和そうなのに、人気者たちに囲まれてる女とかさ。」





別に私は、特に気にしないけれど。


春湖がいたら大変ですよ貴女たち。

ガチギレされてますよ。





優しくてしっかり者で、保健室にて酷い生理痛と絶賛戦闘中な、私の自慢の親友は。きっと。

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