鈴木は照れ屋さんだ。
第7話
「吐く…………リアルに吐く……。」
春の陽気がそこかしこに舞踊っているかのような良き日。
日曜日の遊園地には、家族連れやカップルの幸せそうな組み合わせがたくさん集まっていた。
そう。
「鈴木の乗り物の弱さ昔から変わんないなぁ」
「知ってて乗せたの!?」
「鬼」
「わ。清子ちゃんに暴言吐かれちゃった。しくしく。」
「1滴も涙でてないわよ佐藤」
たった今乗り終わったジェットコースター、地上に降りた瞬間真っ青な顔でトイレに駆け込んだ鈴木を除いて。
周りはとても、楽しく爛々と弾んでいる。
今回ばかりはシャレにならないと驚く春湖、その隣で佐藤は泣き真似。
物腰柔らかな性格とは裏腹に、サディストという性質が発覚した佐藤の下手な演技に心底白けた。
2日前の強引な鈴木の宣言通り、4人での遊園地祭りは開催されたけれど。
その主催者はどうやら無理してジェットコースターに乗りでゲロ酔いしてしまったらしい。
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