第16話
「流れ的に…次、俺ね!みんなと同じ2年1組、16歳B型、河合曹(かわいそう)です!でも、どっちかと言えば可哀想ではなく、比較的薔薇色の人生を歩んできたつもりです!」
「…ふ…っあははははは!」
続けて、紫色と黒色のボーダー柄がデザインされているフレーム、派手な眼鏡をかけたあの小柄な男の子が、休む間もなく投入してきたあたしの大好きな空気の面白自己紹介に、手を叩いて爆笑。ちょっとなにそれ!
この子、あたしと同じ波長のニオイがするんだけど!
「おっ!やったー!ウケた!俺、初対面の人を自己紹介で笑わす内容考えんの趣味だから嬉しー!」
「あたしも嬉しい!なんか気、合いそーな子が…あ、せっかくだから“そーちゃん”って呼ぶ。よし。」
「え。もしかしてそれ、気が合い“そー”の“そー”ちゃん?うわ、なにそれ!ははっ!じゃあ俺は“しー”ちゃんでいこっかなー」
「へ?なんで、しーちゃん?」
「会えて嬉“しー”の“しー”ちゃん。どう?」
「…ふはっ!最高!よろしくね、そーちゃん。」
「こちらこそ、しーちゃん。」
視線を交わしお互い含み笑いで頷きあう、奇妙なあたしとそーちゃんの意気投合具合に、
「…しずかさん、ほんとに20歳?」蓮くんは呆れたように、
「あははっ!」まもまもは楽しそうに、
「ふはっ」一番右に座る男の子は吹き出したように、
みんなが、笑う。
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