第15話

勝手に個人の感想を心のなかで呟きつつ、蓮くんの隣に座るガタイの良いスポーツマンみたいな男の子を見てみる。



…やだ。なにこの子。さわやか。




「じゃあ…次って俺?」


「うん。どうぞ!」



大きなくりくりした瞳を爛々と揺らし、自分で自分を指差している動作に、胸キュンした。



この子、大きくなって体育教師とかになって女子高にでも赴任した日には、人気爆発だ。絶対。言い切れる。




「海藤護(かいとうまもる)蓮と同じく2年1組、よろしくっ!」


「よろしくっまもまもっ!」


「おう…って、まもまも?」



はち切れんばかりの気持ちのよい笑顔で、手を伸ばしてくれたフレンドリーさに応え、腕を伸ばし勢いよく握手を交した。



シェイクハンドシェイクハンド。




「なんか君、まもまもっぽい!あだ名!」


「っははっ!そんなの初めてつけられたんだけど!」



そして数秒間、驚きの表情のまま固まっていたまもまもはいきなり吹き出す。笑い、を。



どうやら《まもまも》呼びは、大歓迎らしい。


ノリがよく優しい。なんて素晴らしいやつだ、まもまも。




手を離ときに見えた明るい黄色の派手なゴツい腕時計は、元気なまもまもによく似合っていた。

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