第14話
「え、俺から?」
「うん。ちょうど、端だし」
片方の髪を耳の後ろでねじり、絶妙なバランスのウェーブ全体的にアシメトリーとなっている黒髪。彫りの深いハーフのように濃く綺麗な顔立ちをしてる。なんだか、モデルみたいだ。
洗練された雰囲気がある。
きっと、かなりなお洒落さんだろう。肌すべすべ。
「えー…遠山蓮(とおやまれん)です。すぐ近所にある農業高校2年1組に通う16歳で…あ、じーちゃんには、いつも世話になってます」
「おおー。蓮くん、しっかりしてるねえ」
「そうですか…?あー…しずかさん、でしたよね?」
「あ、敬語とか“さん”とかいらないいらない。気軽に接して下さいなー」
「でも歳上だし…俺は、しずかさんで。よろしくです」
「ふふ。はい。了解。よろしく!」
見た目通り大人びた対応を押し通してくれた蓮くんに、ぱちぱち拍手を送った。
透明な赤色、シンプルなデザインのストーンピアスが、髪をねじっている側、露になってある耳にひとつ存在しているのが目立つ。
蓮くん自身も、そうなんだろう。田舎じゃあ特に。
女子から極上の王子様扱いされるタイプの子だ。いいな。
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