第3話 SUSHI☆SOURCE

リュウグウ王国。

水晶の城壁、真珠の尖塔。

海の青を映し出す輝きに、マイケルは口をあんぐり開けた。


「HOLY SUSHI…これがリュウグウキングダム……アクアマンも裸足で逃げ出すぜ。」


だが――


「入国許可証をお持ちでない方は、入国できません。」

兵士が槍を突きつけた。


「WAIT, WHAT!?」

マイケルは大げさに両手を広げる。

「俺は寿司ヒーローだぞ! USAじゃフリーパスだ!」


「ここはUSAではありません。」


バッサリ。


「チクショウ!こんなとこで夢のリュウグウ寿司食べ放題プランが台無しか!」


「そんなプラン無かったわよ!!!」


---


その時。


「……彼らを通してくれないか。私の客なんだ。」


低く響く声。

後ろを振り返ると、ローブをまとった老練な男が立っていた。


兵士は直立不動になり、慌てて道を開ける。

「ね、ネラル様……!」


キャシーが目を見開く。

「ネラル……! あのリュウグウの大商人……!」


マイケルは首をかしげる。

「おいキャシー。何で日も照ってないのに彼はローブを着てるんだい?照れ屋さんなのかな?」


「黙ってついてきなさい…」



---


ネラル商会。

豪華な客室に通され、マイケルはふかふかのソファにダイブした。

「YEAH, THIS IS RICH PEOPLE COMFORT!!」


対面の椅子に腰かけたネラルが口を開く。

「さて、君は私に聞きたいことがあるのだろう?」


その瞬間。

マイケルは立ち上がり、窓を突き破る勢いで叫んだ。


「ソイソースを探してるんだっっ!!!!」


ドォォォン!

部屋が揺れた。


キャシーは顔を真っ赤にして叫ぶ。

「あんた帰る方法聞くんじゃなかったの!?!?」


「帰るのも大事だ。だが! 俺の胃袋が泣いているんだ! 俺の寿司が、ソイソースを求めて叫んでいるんだッ!!」


ネラルはしばし無言で見つめ――そして笑った。

「……気に入った。君のようなバカは嫌いじゃない。」


彼は立ち上がり、袖から細長い杖を取り出す。

「だが情報が欲しいなら、私と戦いなさい。」


キャシーが慌てて叫ぶ。

「ちょ、ちょっと待って! この人、推定危険度80よ!」


「エイティィィ!?」

マイケルの顔が引きつる。


ネラル

推定危険度80

おそらく近海でかなう相手はいないだろう

ネラルの目がギラリと光る。

そう、あのダイオウアンコウやアメリカンカラテの師範代でも敵わない。


ドドドドド……!

客室の空気が重くなる。


マイケルは深呼吸し、拳を握った。

「Alright, Grandpa Soy Sauce… Let’s dance.」


ゆけ!マイケル!


がんばれ!マイケル!!


そう!彼こそがSU

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る