第2話 「輪廻転生(2)」

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注意喚起:この作品は、ゲーム:「モンスターハンター」シリーズを最新作までプレイした後に読むことをお勧めします。

知らない人にもわかるように必要があると判断した場合には都度解説を入れますが、内容に大いに関わってくることをご承知ください。

以上の内容をご理解いただけたなら、ゆっくりしていってね!!!

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邪龍の…娘?

それは…一体…どういう…?

色々と聞きたいことはある。だが、僕が一番最初に気になったのは、


陽翔「もしかして…性別転換…?」


神様「正解だ。」


陽翔「はぁぁぁぁぁぁぁぁ????????」


…あれ?


陽翔「もしかして人間でもなくなる?」


神様「だから言ったろ?「邪龍の娘」だって。」


陽翔「僕にそれを受け入れろと?」


神様「もうすでに定まった運命だ。受け入れる受け入れないの話ではない。」


陽翔「…まあ、そう…か。」


神様「思ったよりも受け入れるのが早いんだな。」


神様「普通の人間であれば、結構時間がかかるようなことだと思うが…」


陽翔「もうすでに、信じたくない事実を、認めちゃってるからね。」


姉ちゃんたちに別れも告げられずに、死んでしまった。

この絶対に信じたくない真実を、僕はきっと、次の人生でもこの罪を背負い続ける。

ぶっちゃけてしまえば、何に転生するかなんて、どうでもいい。

ただ一つ…


陽翔「姉ちゃんと優愛に会えれば、それで良い。」


その心が、変わることはなかった。

きっと、これからもないのだろう。


神様「納得したなら、それで良い。」


神様「それで、何か質問があったりはするか?」


その言葉に対して、僕は、


陽翔「一応、どんな世界かは聞いておこうかな。」


と、そんな質問を返した。

その答えは、


神様「ある程度文明が発達して、人類が「魔法」という技術を使う世界だ。」


魔法…僕の知ってる魔法は、コラボで見たイグニぐらいの物だった。


神様「お前知ってる魔法のバリエーション少なすぎないか?」


陽翔「ミールストームとかエクリプスメテオとかも魔法?」


神様「FFXIVファイナルファンタジー14だろ?魔法のはずだが。」


陽翔「神様って意外と、ゲーム知ってるんだね。」


神様「何度も言っているだろう?人間の娯楽は素晴らしいんだ。」


陽翔「神様でも依存症になっちゃうなんて…恐ろしいね。」


そうして喋っている間に僕はようやく心を決めた。


陽翔「はぁ…邪龍の娘…か。」


陽翔「姉ちゃんたちに会える可能性は、ゼロじゃないんだよね?」


僕のその決意を察してか、僕に向き直って、神様は言う。


神様「龍は、永遠に近い命を持つ。待ち続ければいつか…」


神様「いや、必ず、その時は訪れる。」


神様「その時はすぐに来るかもしれないし、100年、1000年たっても来ないかもしれない。」


神様「それでも必ず、お前の前に、最愛の人らは現れると、そう約束しよう。」


陽翔「分かった。」


僕はきっと、何千年だろうと何万年だろうと、待ち続けられる。

例え次の生命いのちが終わろうとも、その次の人生でも探し続ける。

それほどの罪を、それほどの愛を、僕は背負っているから。


陽翔「で、転生の特典とかはあったりしないの?」


神様「そんなライトノベルのようなものは、予算が足りないからない。」


陽翔「まあそんなものがあったらWebルーレットなんて使わないよね。」


神様「まあ、そうだな…なんせ、新しい世界を作るのに予算の大半が使われる。」


と、苦笑を浮かべる。

その後神様は、僕にこんなことを言った。


神様「…私に言えることはもうないな。」


その言葉を聞いて、僕は心の底から湧き出てきたその言葉を投げかける。


陽翔「転生する前に会ったのが、神様でよかった。」


神様「…そうか。変わったやつも、いたもんだな。」


優しい笑みを浮かべながら、神様はそんなことを言う。


陽翔「じゃ、また死んだらお世話になるからー」


一回死んだからか、それに恐怖を覚えることはもうなかった。

もう一度視界が暗転し、意識が底へ底へと堕ちていく。

一度目よりも、柔らかい、暖かい羽に包まれているような感覚に、

僕は笑顔で、


「ありがとう…神様。」


と、そこで僕の意識は、完全に途切れた。


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天道陽翔、彼の居なくなったその広間を見つめていると、


天使「クオン様、あれでよかったのですか?」


私の部下の天使の一人が、そんなことを言った。

その質問の意図が理解できず、


「あれでよかったのか…と言うと?」


と、聞き返した。


天使「龍神、あの世界では邪龍と呼ばれている存在は、私たち…いえ、クオン様をも超える可能性があります。」


「…だから、なんだというんだ?」


「言ったはずだ。転生する対象は、ルーレットで選ぶと。」


そう言って、圧をかける…も、


天使「…でも、クオン様の因果律操作で…」


と、一瞬で見抜かれてしまった。


天使「クオン様、汚いですよ。自分で決めたルールの穴を突くなんて。」


「うるさい!!!あの子は私の大事な部下の子だ!私がテコ入れして何が悪い!!」


「全て、私の責任だ。」


自責の念で、うまく言葉が出てこない。


「あの子が死んだのは、あの子が世界に適応できなかったから。」


ああそうだ、あの子は、あの子自身が生まれた世界を生きれなかった。


「適応できないように生まれてしまったのも、そもそもあの子たちが生まれてしまったこと自体が、私の私利私欲によって生まれた、世界のイレギュラーだ。」


天道陽翔…彼だけじゃない。天道梨穏も、天道優愛もいずれ彼と同じような結末を辿ることになる。彼らには何の罪もないのに、全て私のせいで。


天使「だとしても…邪龍の力はあまりに強大…しかも、あの男は、さらにその能力を引き出すことができる。そうじゃないんですか?」


確かに的を射た発言であったが、少しずれている部分を指摘する。


「さらに能力を引き出せるわけじゃない。能力を使うのにコツが必要なんだ。」


天使「どっちも同じですよ。結局、あの男はその能力を使えるんでしょう?」


「…まあ、そうだな。それは…否定できない。」


天使「しかも記憶処理もしていない…一体どういうことですか?」


その言葉に、私は何も言い返せなかった。


天使「記憶処理をすれば幾分かマシになったものを…」


天使「確かに彼は、悲劇的な人生を歩みました。クオン様が次の人生では幸せに生きて欲しいというのもわかります。」


「あの子は、再会しなければいけないからな。」


天使「…どういうことですか?」


「姉と妹にもう一度会うために転生するのに、その二人の事を忘れてしまっては本末転倒だろう?」


「あの子が何か問題を起こしたときは、私が責任を取る。それだけの話だと思わないか?」


ただ、私の罪を償う。今の私の頭の中には、そのことしか存在しなかった。


天使「それで…他の世界にまで影響が及んだら…っ!!!」


「私が止める。それでいいだろ?」


「私は、私が彼女にやらせたことの罪を、償わなくちゃいけないんだ。」


自分で自分が冷静ではないことは分かっていた。

でも…それでも…

私の犯した罪は、決して消えるものじゃない。


天使「一旦、この話は終わりです。」


天使「…また一人、来たみたいですよ?」


そこに現れた影に、驚愕する。


「…まさか…後追い自殺か?」


優愛「…ここは…どこ?」


優愛「…私は…死んだんじゃ…」


そうして私はもう一度、先程と同じ言葉を告げる。


「お前は、死んだ。もう元に戻ることは出来ない。」


と……

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