第二章 学園生活の始まり

第11話 朝と新たな始まり

 翌朝、ソフィアは目覚まし時計が鳴る前に目を覚ました。ベッドから降りて制服に着替える。白いブラウスにグレーのスカート、そして今日から身につけることになった真っ白な腕章。鏡に映る自分を見つめ、ソフィアは無意識に腕章を触った。

 フーヤオは、いつも通りの可愛らしい狐の姿だった。彼は窓辺に立ち、外の様子を眺めている。

「……おはよう」

「おはよう、ソフィア。よく眠れたかの?」

「……うん、普通」

 ソフィアの言葉に、フーヤオは満足そうに微笑んだ。

「さて、今日はアエルの教室に行かねばならぬな」

 フーヤオの言葉に、ソフィアは小さく頷いた。朝食を済ませ、部屋を出る。廊下には、すでに多くの生徒がいた。イグニスの生徒は赤い腕章、アクアの生徒は青い腕章を身につけている。それぞれが、同じ色の腕章をつけた仲間たちと楽しそうに話している。

「あいつ、マジで監督生なんだな」

「腕章、真っ白だ。本当に魔力がないんだな」

「うちのクラスに来るのかよ。面倒くさいなぁ」

 そんな声が、ソフィアの耳に届く。

「白は何色にもなれる可能性の色ということを知らんのか、おバカじゃのう」

 フーヤオが、ソフィアの前を歩く。彼の声から伝わる温かさが、ソフィアの心を少しだけ和らげた。

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