第12話 初顔合わせ
ソフィアはアエルの1年の教室の扉の前に立った。扉の向こうからは、生徒たちの賑やかな声が聞こえてくる。深呼吸を一つして、ソフィアは扉を開けた。
教室に入ると、生徒たちの話し声が一瞬にして止まった。教室中の視線が一斉にソフィアとフーヤオに向けられる。だが、ソフィアは動じず、ただ静かに教卓へと向かった。
教卓には担任らしき教師が立っていた。彼女は、ソフィアの白い腕章をちらりと見て、にこやかに微笑んだ。
「ようこそ、アエルのクラスへ。君がソフィア・ヴェスパーさんだね。今日から一週間、私たちのクラスをよろしく頼むよ」
教師の言葉に、ソフィアはただ小さく頷いた。
「……はい」
教師は、ソフィアが魔力を持たないことを知っているのだろう。彼女の視線には、他の生徒たちのような好奇や嘲笑はなかった。
「さて、みんな。彼女が今日から皆さんの学園生活をサポートしてくれる、監督生のソフィアさんです」
教師がそう紹介すると、生徒たちの間で再びざわめきが起こった。
「うわ、本当に来た……」
「監督生って、監視役ってこと?」
「やべえ、何かやったらすぐ『悪』がつくのか?」
生徒たちの囁きがソフィアの耳に届く。その中には、あからさまな警戒や反感が混じっていた。
ソフィアは、そんな生徒たちを静かに見つめた。彼女の瞳には、何の感情も宿っていなかった。
「……何か、質問は?」
教師に促され、ソフィアは小さく問いかけた。
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