IラブHero(カッパ)! 第3話
BGM【タイトル】
姫様 「IラブHero(カッパ)! 第3話」 ※ 読み方(アイラブヒーローカッコ、カッパ)
○地下
BGM【怪しげ】
SE《水が落ちる音》《蝋燭》
ギル 「う、ううん?」
ピータ「あ、お目覚めですか?」
ギル 「う……ここは」
ナレ 「目を覚ましたギルバートが見たものは、ボディコンスーツを着た女王様と、その女王様に足蹴にされ喜んでいるモブの姿だった」
王妃 「〔高笑い〕さあ、面倒くさくて名前のないモブ! SとMの違いをお述べ!」
モブ 「ははー。デラックス様!! スペシフィックとモデラートですか!」
王妃 「違ぁう!」
SE《鞭がしなる》
モブ 「ぐへぁ!! で、では、サスペンダーとモッツェレラですか!?」
王妃 「またまた違ぁう!」
モブ 「うごはぁ!! か、快感v」
ギル 「……寝なおそう!」
ナレ 「寝なおせません!」
SE《殴る》
ギル 「痛っ。なんで!?」
ナレ 「前回、私の見せ場を奪ったろ。だから二度寝禁止! 物語は強制的に進みます」
ギル 「おま、ナレータのくせに!」
ピータ「あ、目が覚めたんですね。大丈夫でしたか? ごめんなさい、兄様がいきなり攻撃をして」
エクセ「おいピーター、人間に謝る必要なんてないだろう」
ピータ「兄様がいきなり吹き矢なんて使うから」
エクセ「煩い! おい人間、下手な真似はよせ、お前の命は俺たちが握っている」
ギル 「えと……その前に、どーしても聞きたい事があるんだけど、いい?」
ピータ「なんでしょう」
ギル 「君、なんでかの有名なSF映画、スターウォーズの悪役が被ってるマスクつけてるの?」 ↑どこかにピーが入ります
SE《カパー、カパー》 ※雰囲気的にはシュコー、シュコー です
SE《キラキラ》
ギル 「無理やりキラキラの効果音混ぜなくていいから! てか、普通に会話してるけど君たちって」
SE《説明をする前の音 特にこれと決まってないがなにか》
ナレ 「説明しよう! あそこで鞭を振っているのがカッパ王国の王妃、SM・デラックス。そしてなにを隠そう、ギルバートの目の間にいる心優しきカッパこそ、本家本元カッパ王国の姫、ダース・ピーターなのだ!!」
ギル 「(興味なさそうに)……ふーん」
ナレ 「おおい、もうちょっと嬉しい反応してくれよ。なぁなぁ、ギルバート。もうちょっとでいいからさ、おお! とか、うわぁ! とかさ」
ギル 「おお、うわぁ……〔溜息〕カッパね」
ナレ 「た、ため息ついたな!」
ピータ「あの、ギルバート様。折り入ってお願いがあるのです」
ギル 「なんで僕が君の」
SE《シャキーン》
エクセ「発言には気をつけろ。河の中に引きずり込んで、しりこだま取ってやろうか?」
ナレ 「ギルバートの危機に、王宮でのんびりしていた伊藤が――」
○ 王宮
SE《虫の知らせ》 ※コナン風味?
伊藤 「っは!?」
SE《せんべいをかじる》
伊藤 「この気配。まさかギルバートになにか!」
テレビ『
委員長「カッパくん、わたし降りるよ」
カッパ「乗ってろ。大丈夫だから!」
委員長「重いから」
カッパ「重く、ない!」
委員長「でも、しんどそうだし、汗だって」
』
伊藤 「いや、それより「カッパさまと委員長」のアニメです! ああ、いいですよね、青春!」
SE《せんべいをかじる》《お茶を飲む》
○地下
ナレ 「気づかなかったっ! (笑いを堪えて)うわ、気づいてもらえてない。可哀想ー」
ギル 「その言い方、ムカつく!」
エクセ「なにをごちゃごちゃ言ってる!」
ピータ「兄様! やめてください。ごめんなさい、ギルバート様」
ギル 「い、いいよ。君とはまだ比較的普通に話しができそうだし。話すなら君とで! で、お願いがあるんだって?」
ナレ 「おいおい、ちょっと可愛い子だからって調子乗ってると足元すくわれ――」
ギル 「それ以上喋ったらバッテリー抜いて本体二つに叩き割るよ? ――よし、静かにな――」
王妃 「〔高笑い〕あたくしから王様を奪うなんて、許せなくてよっ」
モブ 「ああ、デラックス様、お美しい!」
王妃 「愛しのマイダーリン。トメ吉!!」
ギル 「ねぇ、兄様」
エクセ「俺はお前の兄じゃない!!」
ギル 「だって名前知らないし」
エクセ「〔舌打ち〕エクセレント・スイマーだ」
ギル 「えと、じゃあスイマーさん。あそこにいる人たちに、黙ってもらう事ってできますか? 煩くて話ができないんです」
エクセ「……ピーターとの話し合いだから、仕方がないか。お前のためではないからな! カッパ国秘伝、カッパ流吹き矢!」
SE《吹き矢》
王妃 「あうっ!」
モブ 「あうっ!」
SE《倒れる》
エクセ「これでいいか?」
ギル 「ありがとうございます。それで、君たちはカッパって事であってるんだよね?」
エクセ「ああ」
ピータ「はい」
ギル 「ほんとにいたんだ、カッパって。見た目は普通だね。ピーターはマスク被ってるからよく分からないけど」
ピータ「カッパの女性は夫となる者以外の前で素顔をさらしてはいけないんです」
ギル 「それでマスクを。息苦しくない?」
ピータ「大丈夫です。口元にブラインドついてますから」
エクセ「おい」
ピータ「あ、そうです。ギルバート様、お願いがあるのです。実は、あなたの国にあるメカカッパを壊してほしいんです」
SE《思考》
ギル 「えーっと、なんだって?」
エクセ「お前の国の王がメカのカッパを作ったらしい。俺たちはその研究を阻止すべく、この頃ずっとお前の国にスパイを送り続けていた」
ギル 「だからこの頃、王宮付近でカッパが増加してたのかな」
ピータ「メカカッパは危険です。もともと、わたしたちは自然を調和させるために生きています。けれど、メカカッパは自然界の摂理を壊し、エントロピーが大きくなってしまいます」
ギル 「エントロピーって、なに?」
エクセ「エントロピーとは無秩序の度合いを示す物理量の事だ。この値が大きければ大きいほど無秩序だという事。摂理に逆らい生み出されたモノは多かれ少なかれこのエントロピーを乱す。だが今回は規格外だ。増加の幅が尋常じゃない」
ピータ「このまま放置していれば、いずれ世界は混沌と化し、やがては破滅します」
ギル 「そ、そんなに重大なの。全然実感沸かないけど」
ピータ「メカカッパを倒すという目的で、デラックス様とは合意ができたのですが、ギルバート様にもご協力お願いできないかと」
ギル 「……いいよ。ぶっ潰そうじゃない! 積年の恨み、いい機会だから存分に晴らさせてもーらおっと。デラックス様が一緒だったら、ばれてもあまり怒られないだろうし」
エクセ「よし、では俺たちを裏切らない誓いの印にピーターと結婚してもらう」
ギル 「……え?」
○ 王宮
SE《虫の知らせ》 ※コナン風味?
伊藤 「っは!?」
SE《せんべいをかじる》《お茶を飲む》
伊藤 「(ほっこり落ち着いた感じで)ふう……。(危機感を出して)ギルバートが危ない!」
姫様 「なにごとアルか? ギルバート?」
伊藤 「お姫様! ギルバートがカッパと結婚しそうです! 間違いありません、私のエンジェルセンサーがそう告げています!」
SE《扉が乱暴に開く》
王様 「なんじゃと」
王佐 「なんですって!?」
朔太郎「お赤飯でござる!」
伊藤 「皆さん、どこから現れたんです?」
SE《ゴゴゴゴ》
王様 「許せんぞ、ギルバート。庭師の分際でワシの愛しきカッパと結婚じゃと? ナルキッソス、今すぐ出撃の準備じゃ! ええい、ギルバート……羨ましいっ!!」
王佐 「かしこまりました、でございますです!」
姫様 「サク。ワタシたちも戦いの準備ネ! ギルがカッパに相応しいかどうか、この拳で確かめるヨ」
朔太郎「姫、結婚でしたら、ご祝儀を用意せねば」
姫様 「ご祝儀、必要ないネ! その結婚、必ずぶち壊してみせるアルよ」
朔太郎「いけません姫! 他人の門出を壊すなど、人として踏み外してはいけない道です!」
王様 「(かっこよく)人である事など、とうに諦めた。大切なのは、人の幸せを許してはいけないという気持ちのみじゃ!」
姫様 「サク。言う事聞かないなら、テレビドラマシリーズ『ゴージャス東海道中膝栗毛、はぐれ侍編』のDVDは貸さないアルよ!」
朔太郎「ご、ご無体な。いたし方ござらん。ギルバート殿、お許しを!」
王様 「よし、皆の衆! 出撃の準備じゃ! 目標、アレイ・ギルバート! かの者の首を取ったものには褒美をやろう」
一同 「おおー!」
○王宮廊下
SE《ロボットが歩く》
カッパ「カッパー、カパパー、カッパパパ。カパ?」 ※うんしょ、こらしょ、どっこいしょ、ん?
加藤 「っぐ、酷い目に遭ったぜ。俺様じゃなきゃ死んでるな」
カッパ「カパー、カッパカパ」 ※おーい、大丈夫
加藤 「ん? なんだお前、俺様を心配してくれるのか? っへ、余計な気使いだぜ」
カッパ「カパ、カッパカパパパ。カー、カパカパッパ」 ※でも、血が出てるよ。ほら、これ使って
加藤 「サンキュ。……お前、いい奴だな」
カッパ「カッパカパカッパ」 ※そんな事ないよ
SE《風が吹く》
加藤 「〔苦笑〕花が綺麗だ」
BGM・STOP
BGM【次回予告】
姫様 「次回予告。IラブHero(カッパ)!!」
ナレ 「……」
ギル 「喋らないの?」
ナレ 「もう喋っていい?」
ギル 「〔溜息〕いいよ」
ナレ 「では、次回予告!! 突如、戦争の幕が切って落とされた。苛烈を極める戦火。響き渡る銃声。人々は思った、神はいないのかと! 時同じくし、ギルバートの結婚が着々と進んでいく。果たして、伊藤とその他諸々はギルバートの結婚を阻止できるのか! 加藤とメカカッパの行方は!? デラックス様は活躍するのか! 次回、乞うご期待! ちゃんと聞かないと、キュウリ漬けにしちゃうぞv」
BGM・STOP
SE《ピンポンパンポン》 上がる 「おしらせ」↑
エクセ「ちなみに、今回の話にあったエントロピーの説明ですが、あれは通俗的解釈です。間違っても覚えたりしないでください」
SE《ピンポンパンポン》 下がる 「おしらせ」↓
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