第4話
ある日の事、ヤーサは遊ぶ約束もなく帰ろうとしていた時の事だ。
エルが校庭の端の草むらで何かを探しているのを見つけた。
「どうしたの?」
「っ、なんでもありませんわ!」
「何か探してるの?」
「なんでもありませんわ!」
邪魔しては悪いと思い、とりあえずヤーサはその場を後にした。
だが、やはり後になってどうしても気になり学園に戻ることにする。
戻ってみるとほぼ同じ位置でエルは変わらずに探してものをしていた。
「エルちゃん?」
「っ!?」
わかりやすく音を立てて近付いたから気がついているかと思ったものの全く気がついてなかったみたいで声をかけただけで吃驚とびあがられてしまった。
「何探してるの?」
「……なんでもありませんわ」
意地をはるエルに対し、じっーと変なところは無いかを観察すると答えはすぐに見つかった。
「……さっさとどっか行って欲しいんですの」
すごい嫌そうな顔でヤーサに告げるエルを気にすることなくヤーサもしゃがみこみ探し物を探し始めた。
「よ、余計なことしないでくださる?」
「もうそろそろ日がくれてくるし、帰りがあぶなくなってきちゃうよ」
「そ、そんな事心配ありませんわ!」
「貴族の子ってのはゆーかいされやすいんだってみんな言ってるしあぶないよ?」
「…………心配ありませんわ」
普段から貴族や階級の違いを言ってしまっているエルには言い返すことが出来ず、ムスッとしながら探し物を続けるのだった。
「………………がと」
「んー? なにか言った?」
「何も言ってませんわ!」
ぼそっとエルが何かをいったのをヤーサは主人公よろしくしっかりと聴き逃していた。
その後、二人でもくもくと、必死に探したが結局その日は見つけることが出来ずエルのお迎えがきて強制終了となってしまった。
そして、次の日からエルが三日連続で学園を休んだ。
先生が風邪だと言っていた。
ヤーサはお見舞いに行きたかったが皆がほっとけよと言うのでどうしようか迷っていた。
エルにはサン・ジュエリーという双子の妹がいる。
サンはエルとは違い立場を気にすることなく誰とでも気軽に接しているので人気もある。
ヤーサとサンは別のクラスだったがヤーサは誰とでも簡単に友達になるので案の定サンとも仲が良かった。
迷っていたところ偶々丁度いい感じにサンの家で遊ぼうって話が聞こえてきた。
これはしめたとヤーサは混ぜてもらうことにした。
そしてこっそりお見舞いをしようと決意した。
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