第2話
ヤーサという少年は明るい性格で天然で純粋無垢、誰とでも仲良くなれるし、いろんな人を引き付ける、そんな少年であった。
そのヤーサとエルの二回目の対面は学園初等部の入学式であった。
「また会ったね!」
しかしエルはふんっ、とそっぽを向いてヤーサを無視して先へ行ってしまった。
わけが分からず呆けた顔をしたヤーサだったがすぐに空気を読まずにすぐに追いかけた。
「ねえー」
「…………」
「ねえーーー」
「…………」
「ねえってば!!」
「あぁぁあああもう!! なんなんですの!!」
くどく話しかけるヤーサに我慢しきれずエルは反応してしまった。
「えへへー」
ヤーサは嬉しそうに笑っている。
そんなヤーサを憎らしげにみて意を決したかのように話し出す。
「あなた、私わたくしを誰だと思っているんですの!」
「えっとー、えっとー」
うーんと知っているはずもない頭を悩ませる。
そしてふと胸元に目が行きはっとする。
そこには名札があった。
幸い、ヤーサも字を読むことが出来るため、答えを知ることができ、にこやかに返答することが可能となった。
「エルちゃんだね!」
「…………そうですの!」
いまいちペースを掴めないエルだったが頑張って会話を続ける。
「由緒正しきジュエリー家ですのよ! 貴方みたいな平民風情が話かけていい存在じゃないのですわよ!」
「? 学園内じゃ関係ないって聞いたよ?」
「そんなの建前だけに決まってますわ!」
「そーなの?」
「そーですの!」
「ふーん」
「ふーんって貴方……」
開いた口が塞がらないエルだったが何を言ってももう無駄だとあきらめ改めて無視して進むことにした。
「あ、まっ――」
「おーいヤーサ」
追いかけようとしたヤーサだったがあっという間に友達に囲まれて断念せざるを得なかった。
だが、どのみち同じ空間で数年間一緒に勉強するのだ。
この先、チャンスは幾らだってやってくるだろうし、すぐに仲良くなれるだろうと無理に追いかけることはせず、考え囲まれた友達との談笑を続けるのだった。
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