第2話

まず考えたのは両親のことだ。最近両親は忙しいらしく、家に帰っても深夜まで帰ってこない。また、ここから山までは2時間程かかる。ただ家と同じ方向なので、帰宅時間は考えなくていいだろう。僕は言った。

「このまま歩いていったとして、お姉さんはどうやって家に帰るんですか?」

彼女は微笑んだ。まるで、それが返答かのように。

僕が山に向かって歩き出した時、彼女もちょうど歩き始めた。こうやって誰かと一緒に歩くのはいつぶりだろう。それを考えても、頭に浮かばないから、ずっと昔まで遡るのかも知れない。

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紅一点な椿 @Syougakkouhadetakeredo

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