第3話

ある夜、L〇NEにて。

桃子『明日みんな空いてるー?』

ギギ『空いてるぞ』

紡衣『空いてるよ』

桃子『皆でショッピングモール行って遊ばない?』

夢子『いいねー!夢子行く!』

美苑『僕も行く〜!』

ギギ『どこのショッピングモールに行くんだ?』

桃子『推しのガチャガチャ回したいからふたばモールでいい?』

夢子『ふたばモールね!了解!』

桃子『じゃあ明日、9時にふたばモールの入り口に集合で!』


翌日。

「桃子、ギギ!2人とも早かったねー!」夢子が入り口に着くと、すでに桃子とギギはふたばモールに着いていた。「おれたちの家がある所は1時間に1個しかバスがないからな…朝御飯は食べたんだが流石に眠い…」「8時のバスじゃ間に合わなかったから、早起きして7時のバスに乗ったんだ〜…うぅ、せっかくの休みの日なのに早起きとかだるい…」「眠そうだね…」遊ぶ前からフラフラの2人に苦笑していると、「おはよ〜、待った?」「おはよう。なんか眠そうな人達居るね…笑」と、美苑と紡衣がやって来た。「全然待ってない!今来たとこ…夢子は」と夢子が返す。

「あれ、美苑メイクしてる?」「そうだよ〜!せっかく遊びに行くから、気合入っちゃった〜!」美苑の顔には目立ちはしないが綺麗めのメイクが施されていた。小柄で愛らしい美苑のかわいい服にもよく似合う。「美苑ちゃんはおしゃれ好きだもんね。時間かかったでしょう?」「そうだね〜。洋服選びもしてたら2時間かかっちゃった!」「2時間…!?」戦慄する桃子。「そんな時間があったら、詩集が2冊は読めてしまう…!」「例えが独特すぎない?」驚くギギと思わず突っ込んでしまう紡衣。

「まぁ、全員揃ったし、遊ぶぞー!」「「「「おぉー!」」」」桃子が気を取り直して音頭を取ると、4人も元気いっぱいに応答した。


「早速なんだけど、何する?」桃子が頭にはてなマークを浮かべながら問う。「ご飯を食べるには早すぎるしね…」と夢子が時間を確認しながら言う。「そりゃお前たち、ショッピングモールに来たんだから買い物だろう!」「あー、それいいね!じゃあまずは買い物行こう!」ギギの提案に乗っかって、まずは買い物に決定!


「…買い物って言っても何買おうか…」「あ、僕コスメ買いたいな〜」「おれは筆記用具だな、お気に入りのマーカーがインク切れしてしまったから、ここで買っていこう」「あ、なら夢子、ギギに付いていこうかな」「お、ならあたしは漫画かな!」「みんな自由ね〜…そうだ、なら1時間後に集合にしようよ、それまでは自由行動ってことで」「紡衣ナイスだ!じゃあ1時間後ここで〜」


「おれはマーカーの所見に行くけど、夢子はどうするんだ?」「それじゃ夢子もマーカー見ようかな?あとノート買いたいな!」「了解、なら一緒に行こうぜ!」


「新作コスメやっぱり売ってる〜!けど人気だなぁ、もうちょっとしかない……観測部のみんなにメイクとかしてみたいなぁ〜…紡衣ちゃんとかきっと似合うなぁ〜…ふふ」


「紡衣も漫画買うのか?」「ううん、特に行きたいところもないから桃子ちゃんに付いていくだけだよ」「そっか!あ、〇〇先生の新刊置いてる!買おう!あ、あっちはあのアニメのノベライズか!こっちは特典付き!?でもランダムか〜、う〜ん、高いけど迷うなぁ〜」「…桃子ちゃん、桃子ちゃんって読書感想文とか漫画で書こうとするタイプでしょ?」「なぜわかったんだ!!!」


1時間後

「みんな買い物できたみたいだね!」「おれも夢子も有意義な買い物ができたぞ!」「僕もコスメ買えた!へへ、今から使うの楽しみだなぁ〜」「あたし達も漫画買えた!ギギ見てよ、特典付きだぜ…!」満足げな5人を横に、紡衣が時間を確認して笑顔になる。「ちょうどいい時間だし、今度はご飯を食べに行かない?」「賛成だ!おれは腹が減った!!」「ギギ…特典…特典見てよ…無視すんなよ…」「紡衣ちゃん〜桃子がメンヘラ化しちゃったよ〜」「放置しましょうね〜」「(泣)」


「フードコート着いた〜!迷うな〜」「おれはクレープ屋さんに行くぞ!クレープ屋さん行く人?」「じゃああたしも行こっと!」「私は鶏そぼろ丼食べようかな」「紡衣ちゃんって本当に鶏そぼろ丼好きだね!」「愛してるもん」「エッ」「……夢子うどん食べる」「ぼ、僕も」「席取っとくね〜」


「かけうどん美味しい〜!」「ちくわ天も美味しい〜!」「鶏そぼろ丼…ウマ…ウマ…」「見ろよ皆!おれはクリーム山盛りチョコソースがけ、そしてアイス乗っけてもらったぜ!」「ギギ、あんたほんとに甘い物好きだよね…胃もたれとかしないの?」「流石にする時はするぞ。でもクレープって実質空気だからな」「んなわけ」


「ごちそうさま〜」「おなかいっぱいになったね…」おなかをさする夢子。「腹ごなしにゲームセンター行こう!」「賛成だ!」


「音ゲーやろうよ!誰か一緒にやらない?」「おれやりたい!ゲームは初心者だが音ゲーは好きなのでな!」「うおおおついに見つけた推しのガチャガチャ!推し来い推し来い…!やった!推しだあ!!」 

「僕クレーンゲームする!あのぬいぐるみ欲しいなぁ…!」「じゃあ夢子に任せて!夢子、クレーンゲーム得意なんだ!」


「はぁ〜、疲れた〜!」「あの音ゲーやった後って手が痺れないか?」「痺れるね〜」「ヤッタ…オシダ…ヤッタ…」「桃子ちゃんはいつまで余韻に浸っているの?」「夢子ちゃん、ありがとうね!この恩は必ず…!」「返さなくてもいいよ!?」

「…楽しかったね。もう夕方だよ」紡衣が空を見上げる。その空はもう赤かった。

「あたしとギギはバスがあるからここで帰るわ、ばいばい!」「また明日会おう!」「そうね、ここで私達もお開きにしようか、2人とも?」「そうだね。今日はよく眠れそう〜」「夢子も〜」

夕方の赤い世界の中に、5人の楽しそうな笑い声はいつまでも響いていた。

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