第2話

「…と、部活動を始めた所なんだけど…」桃子はふっと遠い目をする。「何したらいいか分かんねぇな…」「何やるか決めてなかったの?」「うーん」紡衣と2人で考え込む。

「今は5時だ。暗くなる前に帰りたいから6時にはおれは帰るぞ」とギギがスマホを見ながら言う。

「うーん…じゃあ今日は各人自由に過ごそう!」「いつものことじゃない!?」桃子の宣言にずっこける夢子。

「あたし昼忙しくてご飯食べれてないんだ〜。この時間に食べちゃお〜」早速桃子が購買で買ったらしいフランスパンを開ける。

「桃子が食べるならおれも何か食べるぞ!」「僕も食べたーい!」「グミならあるが好きか?」「食べるー!」ギギと美苑もお菓子を開け始めた。

「ギギー!夢子にもお菓子ちょうだい!」夢子が手を差し出す。「構わないぞ!」とギギがその手にグミを乗せた。「あんまり食べすぎないようにね〜。晩ごはん入らなくなっちゃうよ?」と紡衣も釘を刺しつつ、宿題らしいワークを広げた。

「紡衣それ宿題?大変だね…!」「そうね。大学進学目指してるから大変なの」「紡衣は大変だなー。頑張れ!」「桃子ちゃんはもっと勉強頑張ろうねー。」「そうだぞ。明後日は補習行かないとお前死ぬからな」「クソ!!!!!」



「ンキャー!!!!!」と突然夢子が悲鳴を上げる。

「どうした!?」とスマホを見ていた桃子が問うと、「スッパ……スッパ……」と口をすぼめてうわ言のように繰り返す。美苑も「スッパ……」同じ。

「あはははは!!」とそれを見たギギが高らかに笑い出す。「それはコンビニで見つけた物凄く酸っぱいグミだ!刺激が強いから無理するなと言ったものを…www」「あー。これ酸っぱいよねぇ…」と紡衣がそばに落ちていたグミの袋を拾ってまじまじと見る。そして

「ザーッ」「紡衣ー!?!?」袋のグミを全部口を放り込んだ。戦慄する4人をよそに、「…うん。いけるね」と真顔で頷く紡衣。「はははははは!これだから紡衣は面白い!」「サイコパス…」爆笑するギギと更に青ざめる残り3人。「桃子も食べるか?」「ご遠慮します!!!!」「…今サイコパスって言ったの誰?」


「あー、酸っぱかった…」「スッパ…」甘いチョコレート菓子を口に入れて夢子と美苑が言う。「ギギはあのグミ気になってたの?」「いや、前からのお気に入りだが」「あれが!?」「あぁ。甘いやつだけじゃなくて酸っぱいお菓子も好きなんだが、普通の刺激には慣れてしまってな…」


「うわ推しの新ビジュだ!?」「ほんとだー」「あ、推しのガチャガチャ今やってるんだ!?どこだ!?…あぁ、あそこか…!…ねぇ紡衣、ガチャガチャ回しに行くついでにこのメンツで遊びいかね?」「賛成!」「じゃあ9時集合にして〜……」


「…あ、6時だな、おれは失礼する」ふとスマホを見たギギが帰り支度を始める。

「ギギ〜、待て、一緒帰るぞ〜」「あぁ!」

「ギギと桃子ってなんであんなに仲いいの?」「あそこは幼稚園からの幼馴染らしいよ〜」「いいな〜、僕幼馴染って憧れる!」「…あ、バスやばい!急げーっ!」「私も親の迎えが来たから帰るね」「僕も〜」

「じゃあみんな、また明日!」「お疲れ様だ!」

「お疲れーっ!!」「お疲れ様。美苑ちゃん、下のコンビニに親来てるからそこまで一緒に帰らない?」「いいよ〜!」

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