第2話 生命エネルギーと美的感受性
第一話では、雌を低温部、雄を高温部とする熱力学的モデルを示した。しかし雌雄は、実際に温度や電位が異なるわけではない。では、このエネルギー差を生み出しているものは何か。ここに新たな問いが生じる。
雌雄が接続するとき流れ出すエネルギーは、物理的な熱や電気ではない。それは生命エネルギーであり、雌雄それぞれが持つ美的感受性によって形成される場である。
美的感受性とは、存在や出来事の中に「美」を感じ取る力である。雌雄はそれぞれ、この美をきっかけに心が動き、身体が応じる。雄は美しいと感じた対象に向かって自らを示し、放出するように動く。雌は美しいと感じた対象に向かって受け取り、内に迎え入れるように動く。この異なる応答の型が、雌雄のあいだにエネルギー差を生じさせる。
何に心が動かされるかは、生まれつき固定されたものではない。環境や経験を通じて育まれた美的感受性によって、「これを美しい」と感じる対象は変わり、差異も深まる。その差異こそが、雌雄を動かし、生命エネルギーを流れさせる源となる。
結論として、雌雄の熱力学的モデルにおけるエネルギー差は、美的感受性によって保たれる生命エネルギー場である。雌雄がそれぞれ「美しい」と感じ、応答することで差異は維持され、その接続点で初めて、生命を生み出す流れが生じる。
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