第4話 武器

「おっとそういえばキノコ、お前武器とか食料とか家に無いか?」


「あるよ。武器って言ってもエアガンだけどね、食料は冷蔵庫とか倉庫とかにあると思う。」


「そうか。ハイエースなら食料と武器をもっていってもかさばらないだろうから持っていこう。キノコが良ければだけど。」


「全然!悪いなんて言わないよ、余るほどあるから威力が強いのピックアップして持ってくるね。」


「了解」


さてキノコがエアガンを持ってくる間にハイエースの方の確認をしますか。


車の扉をご開帳。

中にはなんとマニュアルのシフトレバーがあるではありませんか。

そしてハイエース特有のシンプルな内装!

トヨタ特有のダッシュボードの高さ!

うーむとても中学生が運転できるような車ではありません。


トランクを含めると計十人は乗れるでしょうか。

そのぐらいの容量の大きさ!

さすがトヨタ世界のトヨタです。


冗談はここまでにしておいて、キノコの家でここまでの物資を補給することができるとは思ってもいなかった。

少々キノコを見くびりすぎていたかもしれない。

ここからは敬意を込めてキノコ様と呼ばせていただこう。


「キノコ様、準備はお済みでしょうか。」


「ええ?急にどうしたのさ碧くん。まあ僕のエアガンの中で強いものを持ってきたよ。食料はあとからにでも取りに来ようよ、腐らせちゃまずいし。」


「さすがキノコ様食料のことまで気にかけている。そこに痺れる憧れるゥ!」


「おい碧、いい加減にしろ。ほらお前がちゃんとしてないとあと2人のとこ行けないんだからな」


「そうだな来人クン」


「キモッ」


「えっ」


「ま、まあとりあえず行こうよふたりとも、来人くんは確か二人の家は知らないはずだよね?僕が案内するよ。」


「そうだな、キノコ頼むよ。おいそこのアホ碧、キモいって言われただけで落ち込むんじゃない。」


「誰のせいだと......」


「ん?なにか言ったか?」


無言の圧力を感じたのでここらへんでふざけるのはやめよう。

次はキノコ以外の二人の家へと向かう。

キノコが案内して、何事もなく学校へと戻る。

そんな甘い考えを、今の俺はしていたんだ───。


─────────────────────────────────────────────────────


「二人の家ってここから近いんだろ?」


「うん、そうだね。歩いて十分ぐらいのところかな。」


「そうなんだ、僕はキノコの家は来たことあるけど、井上と向井の家は行ったことないからな。」


「俺はキノコの家も初めてだな。」


「うん、そうだね。とりあえず二人の家に行こうよ。」


そうして俺らはキノコのハイエースで井上と向井の家へと向かった。

道案内をすると言うほどのグネグネ道ではなかったため、案外すぐに着いた。


「井上の家はこのあたりだったよな...───ッ!」


突然右腕に鋭い痛みが走った。

右腕を抑えるが、血は出ていない。おそらくエアガンだろう。


「どうしたの碧くん...ってどうしたんだいその右腕は!?」


「わからん。多分エアガンで打たれてる。」


「見せて...結構腫れてるね。」


「だろうな。おい来人あまり身体を車から見せないほうがいいぞ。」


「わかってるよ、相手がどこから打ってきたか探ってるんだ。」


「あれ?この傷何処かで見たことが...多分井上のスナイパーだ。」


「根拠は?」


「井上とサバゲーしたときに肌に弾が当たったんだ。その時と傷が似てる。」


「キノコがそう言うんだったらそうなんだろう。でも犯人が割れてもどこから撃ってるかがわからないとどうしようもない。」


「そうなんだよね...僕の持ってるエアガンにスナイパーはないし...どうしようか。」


「俺に作戦がある。」


「碧、その作戦ってのは何だ?」


「エフビーアイオープナウ作戦だ。」


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