紛れも無く「本物」

川辺でバーベキューをしていた一家を襲う運命。

それをさかのぼる形で描かれますが、この作品紛れも無く「本物」です。
もしかしたら、物凄い名作をリアルタイムで読んでいるのでは……と背筋が伸びてしまう。

淡々とした、それで居て熱量を伴う筆致。
静かに破滅に向かって流れていく空気。
そのジトッとするような……不安になるような空気感がリアルに描かれている。

経営破たんしていた父親の変貌。
そして少しづつ並んでいく違和感。
静かに……まるで増水する川のように。

この作者様、紛れも無く本物だ……と鳥肌が立ちます。
また、そんな芸術性高い筆致でありながら、読み手を離さない要素もしっかり抑えているのが恐ろしい……

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