紛れも無く「本物」
- ★★★ Excellent!!!
川辺でバーベキューをしていた一家を襲う運命。
それをさかのぼる形で描かれますが、この作品紛れも無く「本物」です。
もしかしたら、物凄い名作をリアルタイムで読んでいるのでは……と背筋が伸びてしまう。
淡々とした、それで居て熱量を伴う筆致。
静かに破滅に向かって流れていく空気。
そのジトッとするような……不安になるような空気感がリアルに描かれている。
経営破たんしていた父親の変貌。
そして少しづつ並んでいく違和感。
静かに……まるで増水する川のように。
この作者様、紛れも無く本物だ……と鳥肌が立ちます。
また、そんな芸術性高い筆致でありながら、読み手を離さない要素もしっかり抑えているのが恐ろしい……