第三章 改造計画始動

二回目のデートで、翔太は重大な決意を固めていた。


「美咲さんって、本当はすごく美人だと思うんです」


「はあ?」


居酒屋で、美咲は箸を止めた。


「その...もう少しお洒落したら、絶対にもっときれいになりますよ」


「別に今のままでいいです」


「でも、せっかくの素材が勿体ないというか...」


翔太の言葉に、美咲は眉をひそめた。


「私を変えようとしてるんですか?」


「いえ、そうじゃなくて!美咲さんの魅力をもっと引き出したいんです」


翔太は必死に説明した。本当は、美咲を「自分の理想」に近づけたいという気持ちと、周囲に自慢したいという気持ちが半々だったが、それを自覚するほど彼は成熟していなかった。


「例えば、髪をちょっと整えるとか、お化粧を覚えるとか...」


「面倒くさい」


「でも、女性として生まれたんだから...」


「女性だからお洒落しなきゃいけないって、誰が決めたんですか?」


美咲の正論に、翔太は言葉に詰まった。しかし、彼は諦めなかった。


「じゃあ、僕が全部手伝います!美咲さんは何もしなくていいです!」


「何もしなくていいって...」


「美容院も一緒に行きます!服も一緒に選びます!お化粧も教えます!」


翔太の熱意に押し切られ、美咲はとうとう根負けした。


「...一回だけですよ」


「本当ですか!やった!」


翔太の喜びようを見て、美咲は複雑な気持ちになった。『この人、本当に私のことを思ってくれてるのかな...』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る