宮城さんからの電話

「はい?」


 夜、知らない番号から電話がかかってきた。


「宮城です」


 忘れていた。宮城さんにもらった電話番号をまだ連絡先へ登録していなかった。


「こんばんわ」


「こんばんわ」


「どうしたんですか」


「よくわからないんですけど、あなたに伝えておこうと思って」


「何を?」


「あの人も、最初は迷子だったんですよ」


 あの人? 誰のことだろうか。


「誰がですか」


「ラムゼン」


「……へえ。そう、なんだ」


「そう」


「ふうん。それで?」


「それだけ」


「それだけ?」


「そう。それだけ」


 数秒の沈黙があった。


「それじゃあ、おやすみなさい」


 宮城さんはそう言うと、電話を切った。

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