第4話催眠されたその1

「えっと、美桜お前マジで言ってる?」


と、お前本気か?と言うような感じで問いかけてくる私の彼氏である涼宮康太すずみやこうたくん。


そう思いながら私こと、宮野唯みやのゆいは親友である美桜を見つめている。

なんだか、いや予感というか……とんでもない何かを隠しているのではないかと思う。


「うんっ、康太と唯ちゃんで催眠術をやりたいの〜」


わくわくな感じで言ってるけど……

美桜ちゃんそれは……その、いかがわしいことをしたいからそういう事を言ってるのではないの?

それに……


「いやいや……催眠術って言っても……そこまで効くようなものじゃないでしょ……」


「ふふん、それがね〜結構効くらしいんだって〜」


なんですと?!

そ、そんなことが可能だなんて……

いや、そうなのだとしたら、康太くんに、催眠が……


「おいおい……それ、誰から聞いたんだよ……」


「え?ゆあちゃんがマリちゃんといろはくんにやったらすごい効いてたって言ってたから」


(あ……ゆあかぁ……これは……)


(ゆあちゃんかぁ……これは……)


((嫌な予感がする!!))


「それでね、こんなものを貰いまして〜」


すると美桜ちゃんが催眠術をする時によくある紐に括り付けられた五円硬貨を見せてきた。


「催眠術をする時の硬貨……」


「なんか引けなさそうだね……」


「引いたらダメだよぉ、だってこんなに面白いこと出来ないなんてつまんないじゃぁん」


お互い顔を見合いもうあとには引けないと悟ってしまう。


「それは……まあ……してみたいけど……」


「それを言われたら……私も……」


「それじゃあ早速しようよぉ〜」


と、不穏な催眠術をし合うということが始まるのである。

どんなことをされるのかは、美桜ちゃんの催眠次第ということになる。


ジャンケンをして催眠術をする順番は……


康太くん一番目、美桜ちゃんが二番目、私が三番目になった。


さてこの状況、どうするべきか……

というか一番目になった康太くんがすごい困惑してる気がするんだけど……


「えっと…これ、どうすればいいの?」


「えっとね、自分がこの子にこんなことしてほしいなーって思ったことを念じればいいんだよ〜」


「そう言われてもなぁ…」


「なんでもいいんだよスバちゃんっ、スバちゃんがおかゆんにこれしてほしいってことでもいいのっ」


「なんかそれはちょっと恥ずかしいけどぉ、いいよ〜?」


なんか満更でも無さそうな気がするんだけど。

それは気のせいですか美桜ちゃん?


「それじゃあ…えっとその……美桜はおっぱいを見せる!!」


ちょっと康太?!

そんなことするなら私が見せるよ?!

というか、私の方が美桜ちゃんより大きいし!!


「ふーん、そんなのが効くと思う〜?」


ゆーらゆらと……

康太くんの大っきい声とは裏腹にコインがただただゆっくりと動く。

そのコインに目が吸い込まれている美桜ちゃん。

すると……


「…(ハイライトオフ)」


無言で服を脱ぎ始めた。


「え?え?!」


「ちょっ、まじかよ!!」

上着を全部脱ぎ…そしてブラまで脱ぎそうになった時。


「ストップ!!もういいから!!」


と我を取り戻したかのようにブラを外す手を止める。


「……あれ?僕は……何を……」


「え?ほんとに…何も覚えてないの?」


私は美桜の今姿を見せないように目の前を抑える。

反論された感じになっているけれどは別にいいじゃないか私の見せるでも。


「うん?って、なんで僕ブラだけなの?!」


「それはぁ……」


「えっちなことしろって言ったんでしょ〜、やっぱり康太くんはやらしいねぇー」


「そういう風に俺を見るんじゃない!!早く服着ろ!!」


「はぁい」


ほんとに催眠成功しちゃうんだ……


凄い……

これならもしかしたら……ミオも……

いやいや、何考えてたんだ白上……

とりあえずおかゆんの次の命令がどんな感じなのか分からないから……


「ふぅ……それで、次は僕だねっ」


「なんか嫌な予感しかしない……」


「私も……」


「それじゃあ、唯ちゃんと康太はセクハラするー、唯ちゃんと康太はセクハラするー」


「ちょっ?!」


「美桜おめえ!!」


吸い込まれないように必死に目を逸らそうとするけど……

なんか……やっぱり……見て……しまう。

ダメ……


絶対に……だ……め……






「んっ……///もう……無理……///」


「…(ハイライトオフ)」


「……///」


「……///」

やばいやばい……

止めないと……


パンッ


「はっ……スバルは何を……」


おかゆ「はぁ……はぁ……///」


「っておかゆ?!」


「康太……大胆だったよ♡」


「ひぇぇぇぇぇ!!!」


と、康太くんと美桜ちゃんの間では催眠術は禁止になったらしい。

禁止にした、当たり前だ。


ただ私はもう一度康太に試したら……

逆に私が洗脳されたのでした。


TheEND

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