第5話世界の終わりに君と
<かなたとクロエ>
「世界が終わるとしたら……か」
「そう言ってたことが現実になっちゃったね……クロエ」
「あはは……って、笑い事じゃないですよね……かなた先輩」
「人類……結局滅んじゃったね」
「このまま、殺してくれれば……よかったのに」
「まあ、生かすも殺すもあいつら次第だったからね」
「二人とも、笑って逝っちゃったから……」
「でも、あれで良かったのかもね」
「ええ、徐々に崩壊が近づいていますし、あと数時間もしたらさかまた達も死ぬ」
「うん…しょうがないことだから」
私達は世界をかけたあの戦いに負けた。
由香先輩、椎奈先輩と一緒に挑んだけどでも最後のあがきとして二人とも連れていかれた。
人類を滅ぼそうとしたやつは自分が死ぬ際に死んだ。二日後に世界はリセットしこの世界では無い新しい世界が生まれると残した。
実際にそれは現実になる。
リセットされる世界では私達はどうなるんだろ、分からないけれど少なくともこの世界のために頑張ったってことは伝わって欲しいな。
約束の時間はそろそろくる。
だから私達は最後の時間まで戦いが起こった地で並んで寝そべっているのだ。
「あずきちゃん……達はどうなったんだろ」
「うーん、多分いろはと一緒にいると思いますよ?」
「そうだった、二手に分かれたのは覚えてるよ」
「別勢力を潰しに行ったのは覚えてるけど、そこから先は私も分からないかも」
「だよね……」
「今頃……幸せになってるんだろうな」
「そう信じよっ」
「はいっ」
今ごろ……どうしてんのかな、いろはちゃん。
あずき先輩…いろはちゃんのこと守ってますよね。
私は必死にかなた先輩守りました……
もう、終わるのかな。いろは、また会いたいな。
「ねぇ、クロエ」
「なんですか?」
「動画、取らない?」
「もう1回……ですか?」
「今度は一緒にさ、動画撮って残そうよ」
「いいかも、ですね」
もし誰かが見つけた時のために、ね。
見つけてくれた時はさかまた達が居たってことを覚えてて欲しいな。
「あれ、どこにやったっけ」
「うーんと、これですね」
「お、あったあった」
「こういう時のために残しておいて良かったですねっ」
「うんっ、さっ時間ないから早く撮ろっ」
『あー、あー、これで映ったかな』
『大丈夫だと思いますよっ』
『よしっ、改めまして紫逢かなたと〜』
『鳳凰院クロエで〜すっ』
『『どーもっ、かなくろです!』』
『うふふっ、いやぁ久しぶりに言いましたねぇ』
『かもかもっ、久しぶりに聞いたっ』
『かなた先輩とこうやってカメラの前で話すのも久しぶりですよね〜』
『かもしれないねっ』
『そうだ何、話しましょうか』
『うーん、僕達のことでいいかも』
『そうですねっ、私達はね世界崩壊を阻止する戦いをしたの』
『でも……だめだった。そいつはもうすぐ世界をリセットさせようとしてるんだって』
『もう時間が無いんだ』
『だから、最後に残そうと思って』
『私達が居たってこと忘れないでね』
『僕達は皆の事を忘れないしこの映像を見つけた君は僕達の事を覚えていてほしい、そしてその君のために残しておくね』
『だから、待ってるからね』
『じゃあね』
『ばいばい』
「ふぅ……なんとか、残せたましたね」
「うんっ」
「じゃあ後は待ちましょうか」
「そうだね」
世界崩壊が始まる。
その時まで私はかなた先輩と一緒に居続けた 。
いつまでも、いつまでも。
<???side>
『あー、あー、これで映ったかな』
『大丈夫だと思いますよっ』
『よしっ、改めまして紫逢かなたと〜』
『鳳凰院クロエで〜すっ』
『『どーもっ、かなくろです!』』
『うふふっ、いやぁ久しぶりに言いましたねぇ』
『かもかもっ、久しぶりに聞いたっ』
『かなた先輩とこうやってカメラの前で話すのも久しぶりですよね〜』
『かもしれないねっ』
『そうだ何、話しましょうか』
『うーん、僕達のことでいいかも』
『そうですねっ、さかまた達はね世界崩壊を阻止する戦いをしたの』
『でも…だめだった。そいつはもうすぐ世界をリセットさせようとしてるんだって』
『もう時間が無いんだ……
クロエ達のばか……
死んじゃうなんて、思わないじゃんか……
この二人が居ないなんて……寂しすぎるよ…
でも、この二人が守ってくれたこの世界あずきさんと一緒に生きる。
なんとしてでも生きてやる。
そしていつかこの世界の生き返った人々にこの2人が…いや、この世界を守ってくれた人たちがいるんだよってことを証明してみせる。
私、諦めないから。
終わり
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