第6話
どうも、村人です。なんかカラカラしてて暑い感じののどかな1日ですね。今来てる村も子鳥のさえずりと牛の鳴き声が時折アクセントのように鳴るだけののどかで静かな村ですね。で、こんなのどかだから当然今回は特に何も起こらなさそうな感じです。要はそんな感じの回です。まあ、でもこんな日常回でも一応2ヶ月ぶりに勇者一向に会えたと言うだけで十分価値はある気がします。
ということで今日も今日とてメンバーを紹介するぜ!みたいに、無理やりはりきろうとしましたけど、なんか締まらないんですよね。やはりへいわボケってこわい
まあ、それよりもメンバー紹介のコーナーですね。
勇者、武闘家、賢者、旅芸人、僧侶、医者、
武士の女性、軽戦士…確か名前は…誰でしたっけ?、あと生真面目そうな見た目の少年…普段名前とか覚えられない性格ですが彼は早急に覚えないと説明が長くなってしまいますね。そして新たに仲間になったであろう、いかにも王国から来ましたー見たいな騎士の男女です。男の方が黒髪で女の方がピンクの髪です。それにしてもピンクとか珍しすぎる気がするのですが。
そして今回消えたのは商人と高貴そうな女性ですね。商人の方はなんで消えたのか前回の見たら大体わかるのでいいとして問題は高貴そうな女性の方ですね。勇者一行の誰かに話しかける機会があればいいのですが。
…と思った時に限ってないのです。
さっきまでの鬱陶しい暑さは身を潜め、もうすっかり涼しくなってきた夕方。どうやら勇者一行は村の近くの魔物討伐に出ていたようで見事に誰もいません。まあ、こういう時もあるでしょう。何故なら所詮俺は、勇者とは他人。ただの村人ですからね。そもそも勇者と併走していること自体がおこがましい存在です。不安という物は1度湧き上がれば瞬く間に膨らんでゆくものらしく、俺の心を黒く覆ってきました。このままでは多分駄目ですね。覚悟を決めなければ行けないでしょう。ということは本能的に感じたのですが、だからといってどうすればいいのでしょうか。
というのをその日、一晩中考えました。
考えた結果こう思いました。そうだ、ダンジョンにいこう。はい、俺は至って正気です、多分。あ、一応この意味が分からない方のために説明しますと、ダンジョンって一般人が入るには向いてないんですよね、危険すぎて。結局、迷いに迷って、ニワトリが鳴き始めたあたりで僕はダンジョンに入る事を決めました。
ダンジョンの中は暗い洞窟になっていて、蝙蝠や、蝙蝠みたいな魔物がポツポツと散見されます。早速襲ってきた蝙蝠みたいな魔物を剣で突き刺します。悲壮な叫びと共に魔物は絶命しました。故郷は魔王の住処からはかなり遠いため武道の達人なんてものはおらず、独学だけでやってきた剣術ですが、一応この、中堅以上の冒険者向けとされているこのダンジョンでは通用するようです。というか、ダンジョンなんていう自然の災害とも言えるような物にランク付けをしたのは誰なんでしょうか。相当メンタルが強そうですよね。そんな感じで疎らに現れる敵を何とか処理してついに最深部の辺りまでやって来ましたね。まあ、最深部まで俺が軽々とやってきていることから察して貰えるとおりこのダンジョンは既に開拓済みですね。まあ、それでも先駆者様達の狩り残しがやはり少し残っているみたいですね。俺はその最深部に来た時、思わず足を止めてしまいました。この最深部の部屋の中央には身長3mほどの棍棒を持った、人間達がトロルと呼んでいる怪物がいました。人型ですが「人間、コロス」ぐらいの知性しか持ち合わせていないので普通は驚異になり得ないと判断してしまうかもしれませんが、俺はそれを見てビビってしまいました。何故ならこの部屋の周りには人間からモンスターに至るまで様々な残骸が散らばっていたのですから。…少し誇張しすぎました。実際にはモンスターの残骸は沢山ありますが、人間はせいぜい数人ほどでしょう。ですが、それでもその異様な光景に俺は気圧されてしまいました。不味いです、俺は何としてもここを突破するという目標を達成したいです。ですが、こんな強そうな魔物に勝てるとは思えません。不安に苛まれてしまいます。…そうですね、ここは冷静になってみましょう。そうしたらなにか見えてくるものがあるかもしれません。
……
あっ。なんと、トロルと戦っている人物を発見しました。身長は180センチほど、でスタイルの良い茶髪で長髪の男性ですね。長身の剣を持っておりますね。で、息を切らしながらトロルの見た目とは裏腹な機敏な動きに喰らい付いていっているみたいですね。にしても、これすら気づけないとは相当俺の気は狂っていたみたいですね。まあ、いざと言う時までずっと温室にいたのが悪いのですが。
兎に角、これが2対1になると分かれば、途端に元気が出てきました。
先ずは後ろから斬りかかります。
勢いよく地面を蹴ってトロルを斬りつけます。
まあ、僕の斬撃なんてたかが知れてますので殆ど傷は付けられませんね。無双劇が見たい方は他の物語をお勧めします。
まあ、それはさておき、です。
男性の方を見ると微かに驚いているようです。一撃で俺が倒せていたならもっと驚いていたのでしょうか。なら、せめてこの魔物を倒すことには貢献したいですね。ということで、今の一撃が一応きいたようで怯んでるトロルの懐に飛び込みもう一撃食らわせます。正直あの図体で、体勢を立て直そうとするついでにでかでかと棍棒を振り上げていたので、割と足が止まりかけてしまいました。ですがここで止まったら本当にただの村人ですらなくなってしまう、そんな気がしたので僕は飛び込みました。結果こちらも重い一撃を貰いますが何とか持ちこたえて相手の懐を切り裂きます。トロルは大きな声で呻きますがまだ致命傷には至ってないようです。ですが、こちらは大分傷ついたので丁度息を整えた男性にバトンタッチすることにします。トロルが呻いてる隙に素早く二歩下がると男性の方も察したのか二歩前に出てきます。そこから先は男性が惚れ惚れするような綺麗な剣捌きでトロルの猛攻を全ていなしていき、横から俺がチクチクと剣で刺していき、男性の大きく振りかぶった渾身の一撃で何とか倒すことが出来ました。
「助かった、ありがとうな」
「い、いえ。俺なんか自ら突貫したのに貴方がいなかったら割と死にそうでしたし」
「まあ、それはあれを相手に油断した俺も悪いしお互い様ってことよ、ところでダンジョンから脱出するの二人で行かないか?ちょっと今は一人だとここから出るのも難しいかもしれないから」
「え、ええ分かりました。では一緒に行きましょう」
「おう、終わったら祝杯だな!」
こうしてこの後は道中で襲いかかる魔物を倒しながらダンジョンから脱出してそのあとは男性と祝杯をあげてちょっぴり特別な一日が終わったのでした。結局トロルを倒したのは男性のおかげなので僕はあまり活躍してないけどそれでも今後の冒険のやる気が出るには十分なのでした。所でこの冒険って新天地を探すのが目的なんですが、本当にどこにしましょう?
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