最愛の人か世界か
貴方はどちらを選びますか?
『最愛の人』か『世界』か。
どちらかが死ねばどちらかが生きる。
そんな物語上のお話だと思っていた選択肢が現実として私の目の前にある。
「僕が死ねば世界が救われる。だから僕が死ぬよ。
キミのいない世界なんて見たくないからね」
彼は儚げな笑みを浮かべ私を見つめる。
さぁ、どの選択をする……
彼が死んで救われた世界で生き続けるか。
世界が滅びる少しの時間を一緒に過ごすか。
それとも……
私が代わりに犠牲になるか。
彼は言った。
私がいない世界なんて見たくないと。
えぇ、私もだよ……
貴方のいない世界なんて見たくない。
それなら世界を捨てるか?
だけど今まで一緒に遊んできた彼ら殺したくは無い。
だったら私の選択肢は……
そっと私は左手で彼の右手に伸ばし、離さないように指を絡める。そして空いている右手で優しく頬を包み。唇にキスを落とす。
「私はあなたのいない世界は見たくない。だけど世界を捨てることもできないの……
だから、一緒に死のう?」
私がそう言うと彼は微笑み
「じゃあ一緒に行こうか!」
そう言い私にキスをする。
やり返してやったぜというような表情で私を見つめる。
私は少し笑った。
そして深呼吸をして私たちは一緒に一歩踏み出した。
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最愛の人か世界か。
物語上のお話だと思っていたものが今、目の前に現れた。最愛の人か世界か自分の中の天秤が揺れ動く。彼のいない世界なんか見たくないし、滅んでいく世界も見たくない。それなら彼と一緒に死のうか。
また来世で…会えることを願って
ワンシーン 青 @Aonosekai_
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