第一章

露の大陸へ

第1話

かつて露の大陸と呼ばれた日の本より更に北の大地。

軍事力に優れた地球外生命体ストレンジャーの猛者が集まる大陸でもあった。


屈強なストレンジャーが互いの縄張りを争う程の激戦地だったが、既にエクシード・チルドレン上層部の手が回り、その殆どがカイル達の討伐に赴いた際に返り討ちになっていた。


ストレンジャー達の支配下から解放された露の民達は漸く自由な生活を取り戻したが、そこへ再び正方の異国より新手のストレンジャーが流れてきていた。

「露の大陸の勢力は半減した!我らの新たな移住地だ!」

かつての西洋の甲冑に身を包んだストレンジャーの部隊が領主を失った町や村を制圧し始める。


露の大陸を取り戻すべく、国家より派遣されたエクシード・チルドレンの小隊が人類を守るべくここまで奮闘を続けていたが、三司令官の裏切りや西軍長官ハモンドとカイル達の内部抗争勃発により物資の援護も断たれ、小隊の兵力は風前の灯火だった。


銀色の甲冑兵士を率いた銅色甲冑の隊長トライダーが町に攻撃を仕掛け、逃げ惑う町民達を捕獲する。

「人間は一人残らず家畜にしろ!逆らう者は即食料だ!」

トライダーの部隊の戦力に成す術なく、町民は捕らえられ、反撃を試みる者は惨殺されて火にくべられていく。


「クックックッ、馬鹿な奴らめ。大人しく家畜になっていれば良いものを…。」

「ヘッヘッヘッ、だが、今夜は久しぶりに人肉にありつけるぜ…。」

トライダーの部下達が惨殺した人間の肉を大包丁で加工していく。

「もっとだ!もっと人肉をよこせ!」

甲冑の鉄仮面を外したトライダーの部下達は、凶悪な爬虫類の怪物へと変身する。

トライダーが陣地に留まっている事を良い事に部下達は、無抵抗な女子供までも食らおうと襲い掛かる。


「キャァァァ!」

「ヘッヘッヘッ、女子供の肉は柔らかくて旨いんだ!おとなしく食われろォォ!」

路地に追い詰められた女性達に迫るストレンジャー達。


しかし、その中の一人が女に飛び掛かろうとした刹那、いきなり全身を発光させて爆発する。

「な、何だ!?何が起きた?」

驚愕し、取り乱す爬虫類ストレンジャーの前に現れる黒いシャツに紺の軍服の青年。

「な、何だ奴は!?」

「誰でも構わん!逆らう者は即食料だ!」

爬虫類化したストレンジャー達が青年に襲い掛かるが、華麗な身のこなしで彼らの爪や牙をかわした青年は、青白く光る拳を喰らわせていく。

「くっ、すばしっこい野郎だが、そんな柔な拳じゃ俺達の甲冑には通用しな…げ?」

ストレンジャー達は、全身を発光させて爆発炎上していく。


「新手のストレンジャーか…。俺はカイル…。エクシード・チルドレンとしてお前達を駆除しに来た…。」

カイルのオーラが炎のように燃え上がった。









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