第01話 02
大学のオリエンテーションが終わるや否や、おれは同期生たちに囲まれた。他県から越してきたおれは、すでに時の人となっていたのだ。彼らは貪るようにおれから外界の情報をもぎ取ろうとする。それはさながら、池から
その言葉に、取り囲んでいた級友たちは、異口同音な反応を示した。そんなことないよ~、と
と、おれは推察した。さらに思索を展開させる。このさき起こり得る状況を。そうしておれは寸刻の猶予を得、来るべき選択に備えることができた。そう、このまま“お客さま”として、皆と一線を画した扱いを受けることを選ぶのか、それとも、ここでの慣習を受け容れ、皆を混じり合って暮らすことを選ぶのか、その二者択一である。
おれが選んだのは――、後者だった。
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