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概要
六度落ちた女官が、後宮でただ一人、皇帝に本当のことを言う。
「まだ落ちる先があるということは、まだ立てるということです」
後宮で、少女が杖で打たれようとしていた。罪状は、猫の膳から魚を一尾盗んだこと。
宮正司の女官・柳明々は、その杖を止めた。「畏れながら、申し上げます。一尾の魚を盗んだ者を裁く前に、一尾の魚が本当に盗まれたのかを、お確かめになるべきかと存じます」
娘は救われ、明々は降格された。
厨へ落ちれば毒を見分ける鼻を、染坊へ落ちれば色の止め方を、庭へ落ちれば土の読み方を覚えた。落ちるたびに、彼女は後宮の一つ下の階層を知っていく。そして名簿にたどり着く。毎年十月、二十人の宮女が「病死」と書かれて消えていた。三年前の十月の欄には、姉の名があった。
明々を庇うのは、後宮に一人だけ。地味な藍の衣を着て、なぜかいつも近くに立っている、名を珂とい
後宮で、少女が杖で打たれようとしていた。罪状は、猫の膳から魚を一尾盗んだこと。
宮正司の女官・柳明々は、その杖を止めた。「畏れながら、申し上げます。一尾の魚を盗んだ者を裁く前に、一尾の魚が本当に盗まれたのかを、お確かめになるべきかと存じます」
娘は救われ、明々は降格された。
厨へ落ちれば毒を見分ける鼻を、染坊へ落ちれば色の止め方を、庭へ落ちれば土の読み方を覚えた。落ちるたびに、彼女は後宮の一つ下の階層を知っていく。そして名簿にたどり着く。毎年十月、二十人の宮女が「病死」と書かれて消えていた。三年前の十月の欄には、姉の名があった。
明々を庇うのは、後宮に一人だけ。地味な藍の衣を着て、なぜかいつも近くに立っている、名を珂とい
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