第3話 廃墟の奥で幽霊を拾った

 ハンターになってから、六日目の朝。

 俺はいつも通り、東京第七コロニーの第十四区画にあるハンター協会の自動ドアをくぐった。

 オイルと硝煙、汗の匂いが混じった独特の空気にもすっかり慣れた。初日のような足の震えも、胃がひっくり返りそうな緊張もない。まるで前世で毎朝オフィスに出社していた時のような、どこか気怠くも日常的な足取りで、新人受付のカウンターへと向かう。


「おはようございます、片桐さん」

 声をかけると、端末を弄っていた片桐が顔を上げた。

 そして俺の顔を見るなりピタリと動きを止め、三秒ほど無言で瞬きを繰り返した。


「…………お前、また来たのか?」

「ええ、来ましたけど」

「昨日も来たよな?」

「はい、昨日は旧物流倉庫のルートでしたね」

「一昨日もいたよな?」

「ホームセンターで工具と乾電池を回収しました」

「その前も……」

「旧薬局です。その前の日は、リポップ直後の食料品店でしたね」


 片桐は机の上に両肘をつき、こめかみを揉みほぐすように指を当てた。


「お前、ハンターになってから、一日も休まずに毎日外に出てるよな?」

 そう言われて、俺も少し考えてみた。

「……そういえば、そうですね」

「『そういえば』じゃねえよ!」

 片桐の怒声が響き、周囲でたむろしていたベテランハンターたちが一斉に笑い声を上げた。


「おい片桐、そいつか? 例の『イカれガキ』ってのは」

 巨大なリュックを背負ったスキンヘッドの男が、ニヤニヤしながらこちらを見てくる。

「ああ。職業くじでハンター引いてからまだ一週間も経ってねえのに、毎日ニコニコしながら外に出てる頭のネジが飛んだ新人だ」

「その『イカれガキ』って呼び方、やめてもらえません?」

 俺が抗議するが、片桐はフンと鼻を鳴らした。

「もう遅えよ。他の部署にも割と広まってるぞ」

「なんでたった六日でそんな不名誉な二つ名が広まってるんですか……」


 ハンターという職業への絶望感に打ちひしがれていたのは、初日の朝までだった。

 この数日間、俺は毎日違うルートを探索してきた。

 日本の住宅街を歩いていたはずなのに、角を曲がると突然ヨーロッパ風の石畳とレンガ造りの家並みが現れる。地下道の出口がどこか外国の道路に繋がっており、見慣れない標識をARが中国語やロシア語だと判定したこともあった。

 同じ崩壊した都市でも、空間の狂い方が場所によって全く違うのだ。

 もちろん、危険がないわけではない。だが、コロニー周辺の新人ルートは定期的に安全が確保されており、指示された青線のルートを外れさえしなければ、盗賊や怪異に遭遇する確率は極めて低い。

 十五年間、巨大な壁の中に閉じこめられていた反動もあるのだろう。曲がり角一つ、地下道一つで次の景色が分からない。その予測できなさが、今の俺にはたまらなく面白かった。

 気づけば俺は、完全にこの『外の世界』の探索にハマっていた。

 危険を求めているわけではない。ただ、「今日はどんな狂った景色が見られるんだろう」「どんな旧文明の遺物が手に入るんだろう」と考えると、家でじっとしている気になれなかった。


「ちなみにお前、今月の新人ノルマはとっくの昔に終わってるからな」

 片桐が呆れたような声で言う。

「知ってますよ」

「じゃあ休めよ。家でゲームでもしてろ」

「嫌ですよ。暇じゃないですか」

「十五歳が真顔でそれ言うか?」

 片桐は端末の画面を俺に向けた。

「しかもお前、ノルマ超過分の物資を換金した金、大半を『追加ルートの購入』に突っ込んでるじゃねえか。普通、もう少しマシな服を買うとか、美味い飯を食うとか、コロニーの娯楽施設で遊ぶとかに使わねえか?」

「別に、壁の中で欲しいものなんて特にないですし。新しい場所に行ってみたいんです」

「やっぱイカれガキじゃねえか」

「違います。俺はただの知的好奇心旺盛な探索者です」


 俺がそう主張しても、片桐はまるで納得していない顔をしていた。


「それで、今日行ける新しいルート、何かあります?」

「……まだ行く気かよ」

 片桐はため息をつきながら、端末を操作した。

「お前みたいな初心者でもギリギリ死なないレベルで、まだ買ってないルートな。……これだ。旧ショッピングセンター《ハーモニーモール》」

 俺のARコンタクトに、新しい地図情報が転送される。

 東京第七コロニーから徒歩で四十五分ほどの距離。地上二階建てに地下物流区画を備えた、中規模の商業施設だ。安定した週一リポップ地点で、日用品や衣料、小型家電などが回収できるらしい。


「地下の搬入区画までが登録ルートになってる。ただし、ARに表示される青線から絶対に外れるなよ。そこから先は安全が保証されてない」

「分かってますって」

「お前、そうやって新しい場所を見つけると目の色変わりそうだから念押ししてんだ。調子に乗って死ぬなよ」

「死にたくはないですからね」

 俺は素直に頷いた。少なくとも、安全が確認された青線を自分から外れてまで冒険するつもりはない。


 *

 南第三ゲートを通過する手続きも、すっかり慣れたものだった。警備員に軽く会釈をして、外の世界へ踏み出す。

 崩壊したアスファルトには奇妙な植物が絡みつくように生い茂り、その向こうには歪んだビル群が遠くまで続いている。

 四十五分の道のりも、特に問題なく踏破できた。道中、怪異の影もなければ、盗賊の気配もない。

 辿り着いた《ハーモニーモール》は、外壁が半ば崩落し、かつての華やかな面影はすっかり消え失せていた。

 店舗内部には、すでに数人のハンターが先行して物資を漁っていた。俺も彼らに軽く会釈をして、邪魔にならないエリアから探索を開始する。

 ARコンタクトが、視界の情報を次々と処理していく。


【業務用蓄電池:価値・中】【回収推奨】

「よし、これは持ち帰ろう」

【衣料品セット(子供用):価値・低】

「……かさばるし、後回しだな」

【高密度工具セット:価値・高】【優先回収】

「おっ、当たりだ」


 腰のインベントリキューブを操作し、次々と物資を吸い込んでいく。

 初日のように「うおお、消えた!」と感動することはもうない。ただの便利な仕事道具として、手際よく作業を進める。

 一階と二階を大まかに回り、俺は周回ルートの青線に従って、地下の物流区画へと足を踏み入れた。


 地下は空気が冷たく、照明はほとんど機能していない。ARの暗視補助モードをオンにすると、緑色がかった視界の中に、巨大な搬入口や倉庫の扉が浮かび上がった。

 湿ったカビの匂いと、ネズミか何かが走る微かな音が響く。

 倉庫の中に残されていた未開封のダンボールをいくつかインベントリに収めると、ARには【使用容量:92%】と表示された。そろそろ切り上げる頃合いだ。


 ふと、視界の端で黄色い警告が点滅した。


【警告】

【登録地形との不一致を検出】


「……ん?」

 俺は足を止め、ARの地図を再確認した。

 現在地を示すマーカーの先で、青い周回ルートは前方十メートルほどの『行き止まりの壁』に突き当たっている。

 しかし、実際の俺の目の前には、地図にない空間がぽっかりと口を開けていた。


「……通路が、あるな」


 しかも、それはただ壁が崩れてできたような通路ではない。

 周囲の粗末なコンクリートむき出しの壁とは明らかに違う。壁面が妙に滑らかで、継ぎ目が見当たらない。材質も金属なのか樹脂なのか判別がつかず、薄暗い地下にあって、なぜか全く埃を被っていない。

 さらに、その通路の二十〜三十メートルほど奥には、ぼんやりと青白く発光している『何か』が見えた。


「昨日まで無かった……ってわけじゃないよな。俺は今日初めて来たんだし」

 しかし、ハンター協会の公式な登録地図には存在しない通路だ。

 ARコンタクトでその通路をスキャンしてみる。


【UNKNOWN AREA(未登録領域)】


 奥の光に視線を向ける。


【識別不能】


 見つめているうちに、ドクン、と心臓が一つ大きく鳴った。

 そこにあるのは、誰も知らない未知の領域であり、地図に存在しない場所だ。

 探索者としての好奇心が、腹の底から湧き上がってくるのを感じる。あの光の奥には、一体何があるのか。誰も知らない旧文明の遺産か、それとも別の世界への入り口か。

 気づけば俺は、吸い寄せられるように一歩だけ足を踏み出しかけていた。


 それでも、二歩目を踏み出す直前で理性が勝った。

 俺はそこで踏みとどまった。

「……いや、こういうのはまず報告だな」

 好奇心は強いが、命知らずの馬鹿ではない。未知の場所へ単独で突っ込んで死ぬのは、探索ではなくただの自殺だ。

 俺は母機を取り出し、片桐への通信ラインを開いた。


「片桐さん、聞こえますか?」

『……今度は何だ。また追加ルートの催促か?』

「違います。今、ハーモニーモールの地下物流区画にいるんですけど……登録地図にない通路を見つけました」


 通信の向こうで、ガチャリと片桐が椅子から立ち上がる音がした。空気が一変する。

『……入ったか?』

「まだです。目の前で立ち止まってます」

『絶対に入るな。そこから一歩も動くんじゃねえぞ』

「ですよね」

『母機から現在地の位置データと、コンタクトが捉えてる映像をこっちに送れ』

「了解です」


 数秒後、データを受信した片桐から返答があった。

『……こりゃ、地形の変動か、あるいは未登録の新しいゲートが出現したのかもしれんな。いいか悠真、お前には手に負えねえ。いいから今すぐ帰ってこい。こっちから専門の調査チームを出す』

「了解しました。帰ります」


 俺は一切の反抗をせず、指示に従った。

 ものすごく気になる。後ろ髪を引かれる思いだが、ここは引くのが正解だ。

 俺は謎の通路に背を向け、元来た搬入路を戻ろうとした。


 その瞬間、謎の通路の奥から、ガシャン、と重い金属音が響いた。


 俺は足を止めた。


 音がしたのは、俺の背後。

 ついさっきまで見ていた謎の通路の奥から、もう一度、硬い金属同士が噛み合うような音が響いてくる。


「……なんだ?」

 俺が振り返ると、

 滑らかな通路の暗闇の中で、赤い光が二つ、ギロリと点灯した。

 その直後、

 ガシャン、ガシャン、と規則正しい足音が続く。

 何かが、確実にこちらへ向かって歩いてきていた。

 ARコンタクトが自動認識を開始し、視界に赤い文字が乱舞する。


【SCAN ERROR】

【再解析中……】

【旧文明自律機械】

【暫定分類:GATE GUARDIAN(ゲートガーディアン)】

【危険度:高】


「ゲート……ガーディアン?」

 暗闇から姿を現したのは、身長二メートルを優に超える、重量感のある装甲に覆われた機械だった。

 人型に近いが、腕が異様に太く、不気味なほど長い。頭部には複数のセンサーが赤く光り、装甲の表面には長期間放置されていたような無数の傷が刻まれている。しかし、動くたびに鳴る駆動音は滑らかで、まるで今しがたロールアウトしたかのような力強さがあった。


 機械の内部から、感情の一切ない合成音声が響く。


『——接続領域への侵入個体を確認。プロトコルに従い、排除を開始します』


 ARコンタクトが即座に日本語に翻訳して表示する。

「いや、俺まだ入ってないんだけど!?」

 俺は思わず叫んだ。

 なぜ侵入者認定されたのか全く分からない。

 だが、抗議して通じる相手ではないことは明らかだった。


「片桐さん! なんか出ました!」

 俺は叫びながら、来た道を全力で逆走した。

『なんかって何だ!』

「ゲートガーディアンとか表示されてる、バカでかい機械です!」

『走れ! 絶対に戦うな! そいつは新人用のライフルじゃどうにもならねえ!』

「言われなくても逃げてますよ!」


 背後から、ガシャガシャという重い足音が猛スピードで迫ってくる。見た目の重量感に反して、異常なほどの俊敏さだ。

 俺は逃げながら一度だけ上半身をひねり、肩から提げていたライフルを構えた。射撃場で少しは練習したとはいえ、走ったままでは狙えない。足を緩めた一瞬で照準を合わせ、引き金を引く。


 パンパンパン!

 三発の銃弾がガーディアンの装甲に命中し、火花を散らす。

 だが、機械の巨体は一瞬わずかに揺れただけで、全く歩みを止めない。


「硬っ!?」

 さらに六発、脚部や胴体を狙って撃ち込む。

 九発も当てた。少なくとも何発かは狙った場所に入っている。それでも、


【有効損傷:軽微】


「新人にこんな化け物の相手させんなよ!」

 当然、協会だってこんなものが青線ルートに出現するとは予想していなかったはずだ。

 俺が愚痴をこぼした直後、ガーディアンの太い腕が持ち上がった。

 その腕は俺ではなく、通路脇のコンクリート壁へ無造作に叩きつけられる。

 ドガァン! という爆音とともに、激しい振動が地下通路を揺らす。

「うわっ!」

 天井から巨大な瓦礫の塊が崩れ落ち、もうもうと土煙が舞い上がる。

 俺が慌てて飛び退いた次の瞬間、逃げるはずだった出口の通路が、崩落した瓦礫の山によって完全に塞がれてしまった。


「…………嘘だろ」

 土煙が晴れた後、俺の目の前にあるのは分厚い瓦礫の壁だけ。

 後ろを振り返れば、赤いセンサーを光らせたガーディアンが、ガシャン、ガシャンと迫ってくる。

 横にあるのは、あの『地図にない謎の通路』。

 選択肢は、一つしかなかった。


『悠真!? どうした、応答しろ!』

「出口、瓦礫で塞がれました!」

『クソッ! どこか別のルートを探せ!』

「一つだけあります!」

『……まさか』

「地図にない通路!」

『待て、馬鹿野郎! そこには絶対に入るな!』

「他にどこに行けっていうんですか!!」


 俺は片桐の制止を振り切り、滑らかな壁の謎通路へと向かって全力疾走した。


 *

 通路を駆け抜ける俺の背後に、ガーディアンの重い足音が迫る。

 通路の奥で光っていたものの正体は、薄い水膜のように空間そのものが歪んで発光する『ゲート』だった。

 どう見てもヤバい。入ったら二度と帰ってこられないかもしれない。

 だが、背中には確実な『死』が迫っている。


「ええい、なるようになれ!」

 俺は目を閉じ、その光の膜の中へと飛び込んだ。


 光の膜へ飛び込んだ瞬間、身体がフワリと浮遊したような感覚に包まれた。

 激しい耳鳴りがし、視界が真っ白に染まる。上下左右の方向感覚が完全に消失し、自分が立っているのか落ちているのかも分からない。

 数秒後、俺は硬い床の上に転がり落ちていた。


「いっ……」

 全身を打ち付けた痛みに顔をしかめながら、ゆっくりと目を開ける。

 そこは、『廃墟』とは到底呼べない場所だった。


 最初に感じたのは、耳が痛くなるほどの静けさだった。

 そして何より、周囲は異様なまでに綺麗だった。

 壁も床も天井も、すべてが薄い灰色、あるいはくすんだ白色で統一された、広大な空間。壁の継ぎ目や角が曖昧で、どこまでが空間なのか境界が分かりづらい。天井ははるか高く、光源が見当たらないのに空間全体がぼんやりと明るい。

 床には埃一つ落ちておらず、完全な無菌室を思わせるほど生物の気配がない。

 旧文明の秘密施設なのか、それとも大転移で繋がった全く別の世界なのか、見当もつかない。


 ARコンタクトの表示を確認する。

【現在位置:測定不能】

【通信:不安定】

【地図データ:なし】


 片桐との通信は完全に途絶え、母機もただの黒い板と化していた。

「……どこだ、ここ」

 俺が身を起こし、呆然と呟いた時だった。

 視界の端で、何かがフワリと動いた。

 俺は反射的にライフルを構え、銃口をそちらに向けた。


 だが、銃口を向けた先を見た瞬間、俺の動きは止まった。


 そこにいたのは、一人の少女だった。

 年齢は十五、六歳。俺と同じくらいか、少し幼く見える。背は俺より低く、身体つきは華奢だった。

 腰まで届く長い髪は、雪のような白さに銀の光を混ぜた色をしている。抜けるように白い顔は人形めいて整っており、大きな瞳だけが淡い青紫色の光を宿して、まっすぐこちらを見つめていた。

 身につけているのは白いワンピースに似た簡素な服だったが、よく見れば縫い目らしいものがほとんどなく、前世の服とも今世で見慣れた衣服とも少し違う。足元は裸足だ。

 そして彼女の身体そのものが、薄い光を人の形にしたように半透明だった。向こう側の灰色の壁が、細い肩や白い服を通してわずかに透けて見えている。

 それだけではない。少女は床から三十センチほど宙に浮き、足元には影すら落としていなかった。風など全くない密閉空間だというのに、長い銀白の髪と衣服の裾だけが、水の中にいるようにゆっくりと揺らめいている。


「…………」

「…………」

 俺と、その半透明の少女は、数秒間、無言で見つめ合った。

 俺の脳が必死に現状を処理しようとフル回転する。


「……幽霊?」

 俺が思わず口に出すと、少女はスッと自分の両手を顔の前にかざし、まじまじと見つめた。

「たぶん、違う」

「……たぶん?」

 なんだその曖昧な自己認識は。

 少女は少し首を傾げ、俺を不思議そうに見つめ返してきた。

「……あなた、ここに来られたんだ」

「来たくて来たわけじゃないんですけどね」

「そうなんだ」

 淡々とした、抑揚の薄い声だった。感情がないというより、感情の起伏が表へ出るまで少し時間がかかるような、不思議な響きだ。

「というか、あなた誰です? こんなところで何してるんですか?」

 俺が尋ねると、少女はまた少しの間、黙り込んだ。

 視線を宙に彷徨わせ、何かを検索しているかのように。

「…………分からない」

「え?」

「思い出せない」


 幽霊じゃない(たぶん)けど、自分が誰かも分からない。

 ツッコミどころが多すぎて頭が痛くなってきた。

 だが、ここで悠長に幽霊少女の身の上相談に乗っている暇はなかった。


 突然、ドゴン!! という鈍い衝撃音が広大な空間に響いた。


 床を通して振動が伝わり、空間全体がわずかに揺れる。

 俺が飛び込んできた、空間の歪みのようなゲート部分が激しく明滅し、大きな音を立てている。

 少女がそちらに視線を向けた。

「げっ」

 俺の顔から血の気が引く。

 光の膜を押し破るようにして、あの巨大なゲートガーディアンが、この純白の空間に侵入してきたのだ。


「追ってきやがった!」

 俺は慌ててライフルを構え直す。

 少女はガーディアンを見ても、全く表情を変えなかった。

「あれ」

「知ってるんですか!?」

「見たことある」

「じゃあ、あれどうにかしてください! こっち死にそうなんですけど!」

 藁にもすがる思いで叫ぶと、少女はふるふると首を横に振った。

「今の私には、できない」

「役に立たねえ!」

「……ひどい」

 少女が少しだけ唇を尖らせる。

 ひどいも何も、こっちは命がかかっている。だが、そのわずかな不満げな表情を見て、少なくとも本当に感情がないわけではないらしいと分かった。

 それと同時に、もう一つ妙なことに気づく。俺は死ぬほど焦っているのに、この少女はガーディアンを見ても微塵も恐怖を感じていない。

 それどころか「あれ、まだあそこにいたんだ」程度の、近所の野良犬でも見るような態度だ。

 それなのに本人は「今の私にはできない」と言う。何ができて何ができないのか、そもそも『今の私』とはどういう意味なのか、考える材料が足りなさすぎた。


 考えている間にも、ガーディアンは赤いセンサーを俺にロックオンし、突進してきた。

 俺は少女の前に出るようにしてライフルを構え、短い連射を何度か繰り返した。

 乾いた銃声が立て続けに響き、残っていた弾丸が装甲へ次々と火花を散らす。

 しかし、今度も一発として厚い装甲を貫くことはできない。

 ARコンタクトの表示が容赦なく現実を突きつけてくる。


【残弾:8】

【有効損傷:軽微】


「これ、本当にまずいぞ……!」

 この何もない広大な空間では、隠れる場所も、逃げ回る障害物すらない。

 俺が絶望的な気分で後退りしていると、背後の少女が、俺の顔をじっと見つめて言った。


「あなた、死にたくない?」

「当たり前だろ!」

「じゃあ、力がいる?」

「あるなら今すぐください!」

 緊迫した状況下での、半ば反射的な叫びだった。

 幽霊が力をくれる? わけが分からないが、今の俺にはそれ以外に縋るものがない。

 少女はコクリと頷き、非常に簡単に答えた。


「分かった」

「え?」


 少女が、フワリと宙を滑るように俺に近づいてきた。

 半透明の、透き通った右手がスッと伸ばされる。

 その手は俺の額へ重なるように伸び、半透明の指先が皮膚の内側へ触れたような錯覚を残した。

 物理的に触れられた感触とは違う。それでも確かに、少女の『存在』そのものが一瞬だけ俺と重なったと分かる、奇妙な感覚があった。

 そして、何かが、俺の身体の奥底へと滑り落ちてきた。


「少し、あげる」

「何を——」


 その言葉を聞き返すより早く、

 俺の頭の中で、パチン、と何かのスイッチが入るような感覚が走った。

 視界に文字は出ない。システムの音声も鳴らない。だが、俺は明確に理解した。

 今まで存在しなかった『新しい器官』が、突然俺の身体に備わったのだ。

 それは視覚でも聴覚でも触覚でもない、今まで一度も使ったことのない感覚だった。

 目の前に広がる世界へ、手を使わず直接『触れられる』ような、奇妙で圧倒的な万能感が全身を満たしていく。


 だが、その力の本質を理解する前に、ガーディアンが眼前に迫っていた。

 機械の太い腕が、俺の頭を粉砕すべく高く振り上げられる。


 振り下ろされれば、今度こそ間違いなく死ぬ。

 その瞬間、俺の脳裏を駆け巡ったのは、一度目の人生の記憶と、今世でずっと俺の身を案じている母さんの顔だった。

 ここまで来て、そんな結末はふざけるなと思った。

 十五年間、壁の中で平和に生きてきて、この数日でようやくハンターという『外の世界』の面白さを知ったばかりじゃないか。

 こんなところで、二度目の人生を終わらせてたまるか。


「来るなッ!!」


 俺は絶叫し、反射的に両手を前に突き出した。


 ——ドンッ!!!


 鼓膜が破れそうなほどの、凄まじい衝撃音が空間に響き渡った。

 俺は思わず目を閉じて衝撃に備えた。

 だが、いつまで経っても痛みは来ない。

 恐る恐る目を開ける。


 ガーディアンが、俺の目の前、わずか数メートルの位置で『静止』していた。

 いや、止まっているのではない。脚部の駆動系はフル稼働し、前進しようと激しい音を立てている。

 ギギギギギギッ!!

 硬い床を削るような音が響く。しかし、機械の巨体は一歩も前に進まない。俺とガーディアンの間には何もないはずなのに、そこだけに目に見えない強固な壁が立っているようだった。


「…………え?」

 少女は俺の背後で、静かにその光景を見つめている。

 ガーディアンがさらに出力を上げた。

 その瞬間、俺の頭の奥に、ズシンという重い圧力がかかった。

「ぐっ……!」

 機械がわずかに一歩、こちらへ近づく。

「な、なんだこれ……!」

 俺は突き出した両手に、無意識に力を込めた。別に手を使う必要はないのだろうが、本能がそうさせた。

 その圧力を受けたことで、ようやく感覚がはっきりした。

 目の前のガーディアンを止めているのは、俺だ。

 俺自身の意思が見えない力となり、人間の腕力ではびくともしそうにない巨大な鉄塊を正面から『押し返している』。


「俺が……?」

「うん」

 背後から少女が肯定する。

「どうやって!?」

「その力で」

「全然説明になってない!」


 ガーディアンがさらにパワーを上げ、ズズズ……と距離を詰めてくる。

 このまま押し切られれば、そのまま潰される。

 今までなら、撃っても効かない銃を抱えて逃げ回るしかなかった。

 だが、今は違う。

 俺には、正体こそ分からなくても、目の前のものを動かせる力がある。


 それなら、やることは一つだった。


「来るなって……言ってるだろ!!」


 俺は脳内に生まれたばかりの『新しい感覚』を束ね、前方の機械へ思い切り叩きつける。

 ただひたすら、もっと遠くへ押し返せと念じた。


 ——ドンッ!!!


 大砲でも撃ち込まれたかのように、ガーディアンの巨体が後方へ吹き飛んだ。

 数メートルを宙に浮き、床を激しく滑りながら、灰色の壁に激突する。

 ドガン!!


「…………マジか」

 放った本人が一番驚いていた。俺の腕力など微塵も使っていない。ただ念じただけで、あんな巨大な機械を吹き飛ばしたのだ。


 それでも、ガーディアンはまだ終わっていなかった。

 ギギギ……と不気味な音を立てながら、壁から身体を起こす。装甲は大きく凹んでいるが、赤いセンサーは依然として俺を捉え、稼働を続けている。

「まだ動くのかよ、頑丈すぎだろ!」

 ガーディアンは壁から起き上がると、再び突進の姿勢を取った。


 俺は深呼吸をし、今度は意識して『力』を使おうとした。

 さっきまで無我夢中だったが、今度は見えない腕で対象を掴むような感覚を意識して探る。

 俺はガーディアンを凝視し、その巨体全体を包むように力を伸ばした。

 頭の中で、今度ははっきりと『持ち上がれ』と念じる。


 ギギ……。

 ガーディアンの片脚が、不自然に浮き上がった。

 そのまま念を強める。

 全身が、重力に逆らうようにゆっくりと床から離れていく。

 十センチ。二十センチ。五十センチ。

「うお……!」

 頭にズシリと負荷がかかるが、持ち上がらない重さではない。

 少女は目を丸くして、その光景を興味深そうに眺めている。


 精密な操作なんて、まだできるわけがない。ライフル一丁すら綺麗に動かせる自信はなかった。

 だからこそ、今できるのは極めて単純で暴力的な使い方だけだ。

 俺は宙に浮いたガーディアンを、まず思い切り横の壁へ『投げつけた』。

 ドガン!!

 跳ね返った巨体を、その勢いのまま反対側の壁へ叩きつける。

 ドガン!!

 さらに力の向きを変え、今度は床へ落とす。

 ガシャアッ!!

 まだ動こうとするガーディアンをもう一度浮かせ、今度は天井へ叩き上げた。

 ドンッ!!

 天井から落ちてきた巨体を受け止めるように力をかけ、そのまま最後はありったけの勢いで壁へ叩きつける。

 ドガァン!!!


 凄まじい破壊音とともに、ガーディアンの外装が完全に割れ、内部の回路から青白い火花が吹き出した。

 駆動音が不規則に乱れ、赤いセンサーが明滅する。


『——致命的損傷——エラー——プロトコル——停止——』


 ガシャン、と糸が切れたように巨体が崩れ落ち、完全に沈黙した。


 *

 静寂が戻った。

 俺は数秒間、その場に立ち尽くしていたが、やがて膝からカクンと力が抜け、床に座り込んでしまった。

「はあ……はあ……はあ……」

 息が上がり、両手が小刻みに震えている。頭痛も少しあるが、気絶するほどではない。

 目の前には、完全にスクラップと化した巨大な機械が転がっている。


「……俺が、やったの?」

「うん」

「今の、何?」

「力」

「だから、何の力だよ!?」

 少女は少し首を傾げて考え込んだ。

「……物を、動かす力?」

「なんで疑問形なんだよ」


 俺は少し離れた場所に落ちている自分のライフルを見た。

 試しに、頭の中のスイッチを入れ、ライフルを意識する。

 来い。


 シュンッ!

 ライフルが猛スピードで俺の顔面に向かって飛んできた。

「うわっ!」

 俺は慌てて首をすくめた。ライフルは俺の頭上をかすめ、ガシャンと背後の床に落ちた。

「……下手」

 少女がポツリと呟く。

「もらったばっかりで操作方法も分かってないんだから当たり前だろ!」


 緊張の糸が少しだけ緩む。

 今度は足元に落ちていたガーディアンの小さな破片を見つめ、さっきより慎重に力をかけてみる。

 ゆっくり浮け、と頭の中で念じた。

 破片はわずかに震えたあと、床から数センチだけ浮き上がる。

 そのまま横へ動かそうとすると、今度は加減を誤って一メートルほど滑るように飛んだ。

「……加減、難しいな」

 少なくとも、押し飛ばすだけではなく、浮かせたり引き寄せたりもできるらしい。

 ただ、狙った場所へ正確に動かすには相当な練習が必要そうだった。


「これ……完全に『念動力』じゃん」

「そう呼ぶの?」

「たぶん。俺の知ってる知識では」


 俺は少女を見上げた。相変わらず、フワフワと宙に浮いている。

「というか、あなた本当に何者なんです? なんで俺にこんな超能力を渡せるんですか?」

「……できたから」

「できたからって。手品じゃないんだぞ」

「欲しかったでしょう? 力」

「そりゃ、欲しかったし、死にたくなかったけどさ」


 俺は恐る恐る尋ねてみた。

「……他にも、こういうことできるんですか?」

 少女はしばらく宙を見つめてから、今度は小さく首を横に振った。

「……分からない」

「即答なんだな」

「でも、今はそれが使える」

「それは見れば分かるよ」俺はため息をついた。結局、少女の正体も、力を渡せる仕組みも、何一つ分からないままだった。


 ここでこれ以上、この謎の空間を探索する気にはなれなかった。

 ガーディアンとの戦闘で精神的にも疲労しているし、片桐との通信も切れたままだ。

「とりあえず、俺は帰ります」

 俺が立ち上がると、少女が不思議そうな顔をした。

「帰る?」

「俺の住んでるコロニーに」

「コロニー?」

「人間がいっぱい住んでるところ」

 少女はしばらく考えてから、フワリと俺の方へ近づいてきた。


「……私も行く」

「え?」

「外を、見てみたい」

「ここから出られるんですか?」

「……行ってみる」

「試してみるしかないってことですか……」


 俺はため息をつきながら、ガーディアンが入ってきた空間の歪み——ゲートへと向かった。

 少女も、フワフワと浮いたままついてくる。

 ゲートを潜り抜ける瞬間、幽霊みたいに消えてしまうのではないかと思ったが、俺が《ハーモニーモール》の地下通路に降り立った後も、彼女は普通に俺の隣に浮いていた。

 しかも、半透明の姿にも何の変化もない。


「本当に出られた……」

「出られた」

「今まで出ようとしなかったんですか?」

「出ようと、思わなかった」

「…………」

 もう何も聞くまい。


 ARコンタクトの表示が回復し、地図データが復活する。同時に、母機から片桐の怒鳴り声が飛び出してきた。


『悠真! おい、悠真! 聞こえるか!』

「聞こえますよ、片桐さん」

『お前、生きてんのか!?』

「一応、五体満足です」

『あのガーディアンはどうした!?』

 俺は振り返って、ゲートの奥を一瞥した。

「壊しました」

『…………は?』

 数秒の深い沈黙。

「なんか、超能力使えるようになったんで」

『お前、何言ってんだ? 恐怖で頭おかしくなったか?』

「俺もよく分かってないんですけどね」

 俺は横で浮いている少女を見た。

「あ、それと」

『まだなんかあんのかよ!』

「女の子、拾いました」

「……拾われてない」

 少女が小さく抗議する。

「今そういう細かい話はいいから」

『女ぁ!?』

 片桐の裏返った声が響く。

「はい。半透明で、宙に浮いてます」

『…………お前、マジで頭打ったのか?』


 *

 帰り道は、行きとはまったく別の意味で落ち着かなかった。

 片桐から「とにかく今すぐ直行で戻れ」と厳命された。腰のキューブは回収物でほぼ満杯のまま、ライフルの残弾も八発しかない。俺はいつも以上に周囲へ気を配りながら、少女を連れてコロニーへの道を戻っていた。

 幸い盗賊には遭遇せず、途中で他のハンターのグループとすれ違っただけだった。

 先頭を歩いていたハンターが、俺を見て、次に横で浮いている少女を見て、もう一度俺を見た。そして、完全に固まった。


「…………」

「こんにちは」

 俺が挨拶すると、ハンターは信じられないものを見る目で呟いた。

「…………幽霊?」

「違うと思う」

 少女が答えると、男の顔からすっと表情が消えた。

「…………喋るんだ」

 それだけ呟くと、男は仲間ごと無言で道の端へ退いた。


 どうやら、俺の幻覚ではないらしい。他の人間にも普通に見え、声も聞こえるようだ。

 そこだけは安心したが、別の意味では全く安心できない。


 南第三ゲートの警備員も、少女を見るなり完全にフリーズした。

「……おい、その……後ろの浮いてるのはなんだ?」

「分かりません」

「分からないものをコロニーに入れるわけには……」

 揉めそうになったが、そこは片桐が根回しをしてくれていたらしい。警備員の端末にハンター協会から直接の入館許可が下りており、しぶしぶ通してくれた。ただし、スキャン機器は彼女を【UNKNOWN】と判定した。

「絶対、どこにも寄り道するなよ。協会へ直行しろ」

「しませんよ」

「寄り道って?」

 少女が首を傾げる。

「後で説明するから」


 *

 ハンター協会に戻り、俺は自動ドアをくぐった。

 いつものように、酒と煙草の匂いが充満する荒くれ者たちの溜まり場。

「お、イカれガキ帰ってきたぞ」

「今日は何持って帰ってきたんだ?」

 ハンターたちがからかうように声をかけてくる。


 ところが、からかい声はすぐに途切れた。

 俺の後ろから、半透明の少女がフワ〜ッと宙に浮きながら入ってきた瞬間、協会内の時が止まった。


「…………」

「…………」

 全員が酒瓶や煙草を持ったまま、完全な沈黙に陥る。

「……なんか、浮いてね?」

「しかも、透けてるぞ……」

「おい嘘だろ……女の幽霊いるー!?」

 一気に協会内が騒然となった。


 奥のカウンターから、片桐が顔に青筋を立てて飛んできた。

「悠真!」

「ただいま戻りました」

「お前、ガーディアンを倒したってどういう——」

 片桐の目が、少女を捉えて完全に停止した。

「…………」

 少女も、相変わらず表情の薄い顔で片桐を見つめ返す。

「…………なんだ、これ」

「俺も知りたいです」

「なんでお前、ハンターになって六日目で、幽霊拾って帰ってくるんだよ!」

「拾ったわけじゃありませんってば!」

「……ついてきた」

 少女が補足する。

「喋ったぁぁ!?」

 片桐の絶叫が、騒然としていた協会中に響き渡った。


 すぐに協会の最新鋭の母機でスキャンが行われたが、結果は南ゲートと同じだった。

【UNKNOWN】

【生体情報:取得不能】

【登録情報:該当なし】

【対象分類:不能】

 それでも少女は全く気にする様子もなく、「これ、何?」と検査機器を不思議そうに覗き込んでいる。


「これ、完全に幽霊だろ」

 片桐が頭を抱える。

「違うと思う」

「じゃあ何なんだよ」

「分からない」

「なんで本人も分からねえんだよ!」


 片桐がひとしきりツッコミを終えた後、俺に向き直った。

「あと、さっき通信で言ってた『超能力』ってのは何だ」

「ああ、これです」

 俺は受付のカウンターに置かれていたボールペンをじっと見つめた。

 フワッ。

 ペンが空中に浮かび上がる。

「おおっ?」

 周囲のハンターたちからどよめきが起こる。

「……念動力、だと思います」

「昨日まで、そんなの使えたか?」

「全然」

「なんで急に使えるようになったんだ?」


 俺は、横でフワフワ浮いている少女を指差した。

「この子にもらいました」

 全員の視線が、再び少女に集中する。

「うん」

 少女はあっさりと頷いた。


 深い、深い沈黙が協会を包み込んだ。

「…………は?」

 片桐の顔が、今度こそ完全に引き攣っていた。ただの幽霊ならまだしも、「人間に超能力を与えた」となれば話の次元が変わってくる。


「お前……」

「はい」

「毎日毎日、嬉しそうに外に出るだけでも頭おかしいと思ってたのに」

「はい」

「誰も知らない地図にないゲートを見つけて」

「はい」

「単独でゲートガーディアンをぶっ壊して」

「はい」

「超能力を身につけて」

「はい」

「最後に、超能力を配る幽霊連れて帰ってきたの?」

「はい。……まあ、結果だけ並べると凄いですね」

「他人事みたいに言うな!!」

 片桐の怒号が響き渡る。


 その横で、少女は周囲の騒ぎなどどこ吹く風といった様子でフワフワ浮きながら、俺の袖を摘まもうとするように半透明の指先を伸ばした。当然、布には触れず、そのまますり抜ける。

「ねえ」

「なんです?」

「お腹、空いた」


「…………幽霊って、飯食うの!?」

 俺の盛大なツッコミが、ハンター協会中にこだました。


 その瞬間、協会中の視線が少女の腹に集まった。

 半透明の身体では当然、腹のあたりまで向こう側が薄く透けて見えている。

 それでも少女は何も気にした様子もなく、もう一度だけ「ご飯」と言った。

 どうやら今すぐ解くべき謎は世界の真実でもこの少女の正体でもなく、まずこいつに何を食わせればいいのか、という問題らしい。



【あとがき】

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未来の崩壊世界に転生したら、職業くじでハンターを引いたので旧文明を漁る パラレル・ゲーマー @karip

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