概要
彼女の仕事は、彼を裁くことだった。――彼の十年を知るまでは。
魔道具の不正を見抜くのが、監察官ユーディット・レーマンの仕事だ。
王都最大の商会が扱う魔道具の異常を報告した彼女は、その直後、「栄転」の名目で東部辺境ゲルステへ飛ばされてしまう。
そこで待っていたのは、規格外の武具を使い、無登録の護符を首から下げる警備隊だった。
しかも隊長ヴァルター・アーレンスは、違反を隠そうともしない。
「これを作ったのは、あなたですね?」
「趣味でね」
どう見ても違法。
押収対象。
監察官として見過ごせるはずがない。
――なのに。
粗末な木枠、安物の魔石、不格好な銀線。
そんな違法品を分解したユーディットは気づいてしまう。
この護符は、効率も見栄えも何もかも捨てて、
ただ一つ「絶対に発動すること」だけを考えて作られている。
そして備品庫には、使われるこ
王都最大の商会が扱う魔道具の異常を報告した彼女は、その直後、「栄転」の名目で東部辺境ゲルステへ飛ばされてしまう。
そこで待っていたのは、規格外の武具を使い、無登録の護符を首から下げる警備隊だった。
しかも隊長ヴァルター・アーレンスは、違反を隠そうともしない。
「これを作ったのは、あなたですね?」
「趣味でね」
どう見ても違法。
押収対象。
監察官として見過ごせるはずがない。
――なのに。
粗末な木枠、安物の魔石、不格好な銀線。
そんな違法品を分解したユーディットは気づいてしまう。
この護符は、効率も見栄えも何もかも捨てて、
ただ一つ「絶対に発動すること」だけを考えて作られている。
そして備品庫には、使われるこ
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