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概要
記録は守ること。――だが、書かないことで救える名がある。
名を書く。
場所を記す。
事実を残す。
それが、人と世界を「存在したもの」として守ること。
若き記録官候補、エリス=ヴェルナはそう信じていた。
彼女に与えられた初めての北方調査任務は、
アウレオン中央大陸と北方大陸シェリグラートをつなぐ《白霧陸峡》の記録だった。
地図と現実が一致しない。
昨日あった道が、今日はない。
道標から地名が消える。
そしてそこに暮らす人々は、自らの名さえ容易には記そうとしない。
同行する風読み、ルオ=スノルは告げる。
「ここで名を書くな」
だがエリスには理解できない。
名前を残さなければ、その人が存在した証はどうなる。
記録しなければ、誰が責任を負う。
書かれていないものを、どうやって後世へ伝えるというのか。
そんな彼女の前で、一人の《道標守》が姿
場所を記す。
事実を残す。
それが、人と世界を「存在したもの」として守ること。
若き記録官候補、エリス=ヴェルナはそう信じていた。
彼女に与えられた初めての北方調査任務は、
アウレオン中央大陸と北方大陸シェリグラートをつなぐ《白霧陸峡》の記録だった。
地図と現実が一致しない。
昨日あった道が、今日はない。
道標から地名が消える。
そしてそこに暮らす人々は、自らの名さえ容易には記そうとしない。
同行する風読み、ルオ=スノルは告げる。
「ここで名を書くな」
だがエリスには理解できない。
名前を残さなければ、その人が存在した証はどうなる。
記録しなければ、誰が責任を負う。
書かれていないものを、どうやって後世へ伝えるというのか。
そんな彼女の前で、一人の《道標守》が姿
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