「素面でも夢を見られる薬」という発想から始まって、少しずつ現実と幻覚の境目が壊れていく感じが不気味でした。特に、薬で見る奇妙な映像よりも、眠ったときに過去の“現実”を見せられるようになるのが怖い。逃げるために薬を飲むほど、さらに現実から離れていってしまう。最後の、ぬいぐるみの種類さえ曖昧になっている場面が好きです。主人公が今どこまで「こちら側」にいるのか分からなくなる、嫌な余韻の残る素晴らしい短編でした。
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