眠れない夜

イトン

いつかの記憶

 眠れない夜に、私は何をしよう。

 一人でずっと起きているのもつまらなく、だからといって目を閉じても夢の扉は開かない。

 手元にあるのはうつつの夢飾り。それを見ても、今の私の得になることは書かれていない。

 次に見たのは、机に置いてある小さな集音器。今は輪舞曲ロンド鎮魂曲レクイエム耳障みみざわりなだけで、それを聴くには勇気が必要だ。


 昼間は好きで固めた空間は、夜になるとネオン街のように私の眠りを妨げるが、それでも私は意地でも眠るマネをする。

 そうすれば、ここにある好きなものを捨てずに済むが、今日は夢の扉が開くまで何分かかるだろうか。

 それを知る頃にはきっと、夢の扉の中へ入り込んでいる。

 願わくば、夢の扉が開く時間を教えないでほしい。

 それを知ればきっと、私はわざわざ眠る計画を立てないだろう。

 そして二度と、眠れない夜を過ごすことが無くなってしまうだろう。


 ラストシナリオ─────

 それを書き終える日は、きっと来ない。


 いや、むしろ永遠に来ないでほしい。

 彼らを道連れにすることは、絶対にしたくないことだから。

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眠れない夜 イトン @Lifan999

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