#18 ラジオ体操
#18 ラジオ体操
「悠仁、みて!」
「ん?なんだこれ」
真白が嬉しそうに突き出してきたのは、ハンコがたくさん押された紙だった。
よく見たら、それぞれ日付が書かれている。
……てか、これ。
「ラジオ体操のやつか」
「そう!僕、毎日通ったんだよ!」
「おお、偉いな」
……偉いのか?
…わからん。
そういえば、小学校の頃は、真白と毎日行ったよな。
小学校の頃通ってた奴も、大抵夏休みの折り返しくらいで終わっていた気がする。
てか、真白、小学生が周りにいる中で、わざわざ通ったのか?
なんとなく、毎朝、小学生と一緒にラジオ体操をする真白を想像してみた。
…小学生の性癖が歪まないか、心配になるな。
「僕の座右の銘は、やると決めたらやり切る、だからね」
「……おう」
「毎朝だらだら起きてる悠仁とは、徳が違うんだよ!徳が!」
やたらと嬉しそうだ。
そう言えば、ラジオ体操を毎日やりきったら、美味しいお菓子が貰えるんだよな。
あれはほんとに美味しくて、だから、小学生の頃は毎年楽しみにしてたんだっけ。
真白が朝早くに俺を起こしに来て、それで一緒に公園まで行って。
ラジオ体操が終わったら、駄菓子屋に寄ったりもした。
……懐かしいな。
あの頃は、夏休みがずっと続くような気がしてたのに。
もう五年くらい経ったんだろうか。
ほんとに、あっという間の時間だった。急にそんなことを思ってしまって、なんだ俺おっさんになったのか、と思うけど。
あの頃の俺からしたら、高校生の俺は、もう十分大人でおっさんだ。
小学生の真白と今会ったら、確実に不審者扱いされる気がする。
「お菓子もらえたからさ、悠仁も一緒に食べようぜ!」
やたらとハイテンションだな、今日の真白は。
「まぁ、いいけど」
「………」
むすっとした顔になる。
半目で、心なし睨みつけてきてるような気すらする。
「…ありがとう」
ぱぁっと笑顔になる。
……ほんとに分かりやすいよな、真白って。
久しぶりに食べたそのお菓子は、ほんとに美味しかった。
来年も暇だったら、真白と一緒にラジオ体操に行くのもいいかもしれない。
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