#19 日焼け
#19 日焼け
「あれ?真白、日焼けしてる?」
なんとなく真白の方を見ていたら、違和感を感じた。
それで、よく見たら、真白の肌の色が少し変わっている。
昔は日焼けって言っても、赤くなるだけだったのにな。
「え?…そうかな?」
「わからんけど、なんとなく日焼けしてる気がする」
真白は漫画を読むのをやめて、肌の色を確認する。
しばらく腕を見たあと、首を傾げて、
「ラジオ体操してたからかな?」
という。
「それだけで焼けるのか?」
昔から、どれだけ外で遊んだとしても、一ミリも日焼けなんかしてなかった気がするのにな。
「わかんないけど、まあ、健康的じゃない?」
「……そうだな」
ほとんど肌の色は変わってないけど、なんとなく活発そうな感じはする。
……ような気がするような、しないような。
なんとなく、真っ白ってイメージの真白だから、日焼けはしないと勝手に思ってたけど、一応するんだな。
「というか、そんなに僕のこと見てたの?」
ニヤニヤしながら、そうやって俺を見てくる。
青い目は、妙に楽しそうに輝いている。
「……いや、見てないけど」
「へぇ?」
「見てないけどな?」
「ふぅーん。まぁ、それで良いけどね」
そう言ったきり、真白は漫画に視線を戻した。
「……なんだよ」
「なんでもないよ」
「…絶対なんか思ってるだろ」
「思ってないって」
そう言いながらも、真白の笑みは、消える気配もない。
なんというか、負けた気がして嫌だ。
……日焼けの話をしてただけなのに。
別に変な意味で見てたわけじゃないし、ただ、なんとなく視界の中に入っただけなのに。
いつもとちょっと違う気がしたから、それで日焼けの話をしただけだ。
……まぁ、うん。
取り敢えずのところ今日は、そういうことにしておこう。
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