#9 アイスティー
#9 アイスティー
「悠仁、アイスティー飲む?」
「うん」
いつも通りゲームをしていたら、真白がそうやって声をかけてきた。
思わず反射的に了承してしまったが、
このくだり、まさか……!?
まさか、また冷蔵庫に入れてるのか…?
と、思ったら、真白はバッグから水筒を取り出して、俺が放置してた空のコップに中身を注ぐ。
…え?それ昨日のコップじゃないか?
……真白って、結構杜撰な所あるよな。
「はい」
「ありがと」
にっこり笑って差し出されたそれを、お礼を言いながら受け取る。
良かった。別にそこまで侵略されてる訳では無いんだな。
ちょっと安心した。
でも心の何処かに複雑な気持ち、ーーわだかまりがあるのは、多分、昨日から洗ってないコップに、飲み物を注がれたからだろう。
アイスティー、か。
紅茶とか飲んだことないからな…。
ちょっと覚悟しながら口をつけて、
「おお、うま」
花のような香りと、独特の苦味。後味には爽快感がある。
紅茶って結構美味しいんだな。
「でしょ。僕も最近、この紅茶好きなんだ」
そう言って、目の前でにこにこ笑い始める。
ん?なんだよ。まだ何かあるのか?
何か言ってほしそうな顔だけど。
「お前、こういうの好きなんだな」
「うん。最近、なんとなく好きになってさ」
そんなに大した量じゃない。注がれた分を飲み切る。
「ありがと。ごちそうさま」
そう言って空になったコップを見せると、いたずらが完了した、みたいな顔で、もっとにやにや笑い出した。
なんだその顔。
あからさまに、いたずらしてやったぞ!って顔だけど、何されたかが全く分からん。
「……?」
「うん」
「何?」
「……悠仁って、もう、水道水飲めるようになったんだね」
????!??
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