#7 財布

 #7 財布







「悠仁ってさー」


「何?」


「財布、くそダサいよね」



 ………?!?!??


「は?そんな訳ないだろ」


「じゃあ、ちょっと出してみなよ」


「……しゃーないな」




 机の引き出しから、愛用の財布を取り出し、



「ほい」


 真白に見せつけてやる。




「…………!!」


 瞬間、真白は静かに顔を伏せた。




 …………。




 なんだよ、その無言は。


 なんか喋れよ!


「なんか文句ある?」



「……いや、別に?」


「絶対なんか思ってるって。……怒らんから。言ってみ?」





「……いや、あのね」





「高校生にもなってバリバリの財布使ってるのは、さすがに可笑しいよ?」



 そう言って、真白は笑い出した。



 腹を抱えて、まさに爆笑って感じだ。


 お笑い番組見ても、こんなに笑ってたこと無いだろ、くらいの勢いで笑ってる。




「は?バリバリは正義だろ?」




 俺が反論しても、一向に笑うのをやめる気配もない。




 ……そんなに可笑しいか、これ。


 結構気に入ってるんだけどな。 




 ばりばりばりばり。


 ぺりぺりぺりぺり。



 ……まあ確かに、ちょっとうるさいけどさ。





「……で、いつから使ってるんだっけ?」


 


 これは真白が誕生日にくれたヤツだから……、たしか、


「……小四、とか?」


「……………」




 急に大笑いをやめて、こちらを見つめてくる。


 口元のニタニタはやめてないが。


 うぜぇ。



「なんだよ」


「物持ちいいね」


「だろ?」






「ま、褒めてないけどね」




 そう言うと真白は、にこ、と控えめに笑った。







 ▲




 夏休み中、毎日二話投稿!

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