地方の鑑定士の佐久間とヘビースモーカーの探偵萩原のデコボコバディがとある集落を訪れるところから始まるこちらの作品。誰よりもこの2人が胡散臭いのですが、相対するのはもっと怪しい現人神様。自分では何も語らず、信者に意思を伝えて語らせる自称予言の神の正体を、2人は見抜くことができるか?
探偵は古き良き探偵小説の探偵のように証拠を集めて推理をします。これがなかなか地味な推理なのですが、言われてみればなるほど納得。彼女、有能な探偵だぜ!
しかし、何事もプロはプロですね。萩原が推理をするかたわらで、佐久間は鑑定士としての仕事を成し遂げます。彼が中央で出世していく成り上がり譚も見てみたいものです。
いいじゃん、それはそれで立派な権能じゃん。
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神さまを探す鑑定士の仕事にも、キャリア組とノンキャリ組がいるらしく、こちらは下部組織ノンキャリ組の物語。
王道の先輩後輩、男女コンビである。
ただし後から入った女のほうが位が高い。
冒頭でラーメンをすすっている彼らはカミサマを探している。探して、そして、まことに神なのかどうかを鑑定するのだ。
鑑定方法に用いるのは、「壺」だ。
人間以外の者に対しては、「壺」が何らかの反応を示す。カミサマならばよし、もし悪霊の類であれば、その時には退魔手続きを取らなければならない。
鑑定士のお二方、どうでしょう、この方は……。
カミサマ認定して下さい。
そういって呼ばれた老人の前で、「壺」は動かない。
なんだ、こいつはただの人間だ。
しかし『カミサマ』は、実際に、村の中で神がかり的な予言を幾つかやっているようなのだ。
本物か。
偽物か。
それを追求するのは、ヘビースモーカーの女後輩の推理である。
カクヨム・シェアワールド「神格鑑定局」を舞台に、怪異とミステリーを融合させたバディもの。
ヘビースモーカーの女性が好きな方にも、是非。
こちらの作品はカクヨムシェアワールド神格鑑定局のために書き下ろされた短編……との事ですが、シェアワールドの設定、世界観をほとんど把握していない私の印象としまして、予習がなくても十分に楽しめる作品でした。
おそらくはそのシェアワールドのコアとなる組織の上層部(たぶんそこには魑魅魍魎と日々戦う超人たちがいるのだと思いますが)からだいぶ外れた末端構成員の視点ということになるのでしょうが、それだけ読者側に目線の高さが近く、より鮮明に作中世界の実像が描かれているような気がします。
むしろ神格鑑定局ワールドの入門編としてオススメできるのではないでしょうか。
さて本作。『探偵つむぎはだいたい寝ている』シリーズの作者アオノソラ様による現代ファンタジーの皮を被った新作ミステリーでございます。
その設定、推理の妙は相変わらずですが、今回のバディはいつもと少し趣が異なります。
いや、違うんですけど芯は同じと言いますか。
強い女子に振り回される展開はこれもう作者様の性癖なのかもしれません。
「人の数だけ性癖は存在する」みたいなことをたぶんモンテーニュあたりが言っていたと思いますので、そこは全然良いと思います。
おすすめいたします!
ぜひ!