第45話 新領地の冬支度

 収穫祭が終わって少しした頃


 ルミシール東の集落に繋がっている橋に線路を通した。


 4つの集落にはすでに環状線を作って物資運搬にトロッコを活用中だったので、ナミブ北側の線路と繋がれば金属加工品や果物などナミブ産の品物が入って来る様になるし、人の往来も増えるだろう。


 ポルトから来る人や小麦などの物資は王都経由で街道の分岐点に出来た駅でトロッコに積み替えて入って来る、馬車並にスピードが出るので近距離線路はコストを考えればトロッコが最適である。


 街道の分岐点は線路分岐の為に作った積み替え用ホームぐらいしか無かったのだが、いつの間にか宿場が出来ていたので正式に駅を作った、正直鉄道でも街道でも中途半端な距離なのでここに宿泊する者は少ないと思って未開発だったのだが逞しい商人も居たものだ、集落の開発許可も出したが水はどうして居るのだろう?とりあえず今のところは領で開発するのは後回しにしておいた。


 春先になったらルミシールの再開発が予定されているのでそれが終わってからになる。


 雪が降り出す前にある程度準備しておかないと、大陸北側にある我が領地の冬場は屋外での作業は厳しいのである。


 領主としてのやる事も山積みだが、ミハエル商会会長としてもやる事はたくさんある。


 王都から東の鉄道も引きたいが現状では採算が取れない、東はリドルの密輸で十分商売になっている。


 ジーラッド聖皇国がある限りは大々的に商売は出来ない、戦乱が起こるのは少し先だとイシリス様に教えてもらったので当面は後回しだ。


 ポルトからカミシロ王国ルートはトンネル掘りが進んでいる、シールドマシンも現場の意見を取り入れて少しづつ改良しながら進んでいる、ホーエン王国には外交ルートを通して許可はもらってある。

(まあ属国みたいなものだから否とは言えないと思うがエルフは気難しい者が多いので事前の連絡は必要だろう)


 ポルトはそんなに雪も降らないし、トンネル内はそれほど寒く無いので冬場も作業出来るだろう。


 進みは遅いがシールドマシンを移動させる線路を引きながら進んでいるのでトンネルが開通すれば、ホーエンの王都まですぐに線路は繋がるだろう。


 車両は来春にも完成する予定なので車両が完成出来次第開通させる予定だ。


 開通すれば帝国内にいるエルフ達も気軽に帰省する事ができる様になるはずだ、ホーエン王国に行くには今までは不便過ぎた、一度国を出たら戻るのが困難なので戻るに戻れないエルフも多い様に思う。


 うちのエルファとエルルは帰らないと思うが。


 この路線が開通すれば鉄道の便利さが分かって貰えてカミシロ王国の同意も得られると思っている。


 大陸でもジーラッドと並んで古くからある国家なのでここから同意を得られれば大陸中どこに線路を通しても反対される事は無いだろう。


 領主としてもやる事はある、この領から売れる物は残念ながら今のところ乳液ぐらいしか無い。


 領民が冬場に食べる物に困らない様に色々と備蓄しておかないといけない、保存がきく野菜類も必要だろう。


 持ち出しになってしまうが3年は国に納税しなくても良い取り決めになっているので領民たちに還元しておこう、ルミシール周辺の集落の方が立ち直りが早くて開墾も進んでいる人口も4つ合わせればジャルドより多いぐらいだし元々何も持たない人々が多いので開拓に対する意気込みが違うのだ。


 領民にはこの辺りの冬の厳しさを知る者も多いと思うが俺は知らない、除雪車とか開発した方が良いのだろうか?線路の除雪とかも必要だろうか?ジャルドの住居代表から聞き取りしておこう。


 冬場に出来る内職みたいなものも考えないといけない、エルフやドワーフの職人がたくさん居れば良いのだがシャハトグラードの職人は定住してしまったので呼ぶ訳にもいかない。


 エルフとドワーフの国もジャミールから解放したので今後職人が他国に移り住む事も無いだろう。


 イシリス様像にかけてあるエルフの職人に作ってもらったペンダントは見事な出来である。

 人間の職人ではきっとあの領域に達する前に亡くなってしまうのだろう。


 魔道具の類いもシャハトグラードで作っているのでここで作ると被ってしまう、厳しい冬に屋内で出来る作業を何か探すのが急務の様だ。


 ドラゴンの鱗と骨が山の様にあるが一般人には加工は無理だろう。

 ポルトからドルジが来てくれれば良いのだがまだ返事がない。


 インフラも整ってきたのでとりあえずこの冬を乗り切ってから考えることにしよう。


 王様から呼び出しも無いのでこの冬は領地で家族とまったり過ごすとしよう。


 子供がまた増えそうな気がするが。

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