第40話 お引越し
領地に戻ってから電信を使って各商会長に集まってもらった。
タイミング良く東からリドルも戻って来ていたので一緒に集まってもらった。
そこで今回の転封の件を話した、本社をこれから開発する旧ジャミール帝国のジャルドに持って行く事にして、現在の本社を支店にしたい旨を話した、支店長をヴォルトにやって欲しいとお願いしたらポルトの業務が忙しいのでと、断られてしまった。
確かに小麦農園の管理から買取して販売、ナミブ公爵領の農園も管理しているので確かに忙しい。
そうしたらマリアの父ジョージから手が上がった、スタインホフ商会をマリアの兄である長男に任せて自分がやっても良いとの申し出があった。
現在は東側との交易はリドルが密輸でやり取りしているのでそこまで忙しく無いのである、西側はジャミールが無くなったおかげで通関の手続きが楽になり余裕が生まれて居るようだ、ゾルダンまで鉄道が出来れば更に楽になるはずである。
当初の俺の予定ではジャミールとの相互不可侵条約は10年ぐらいは我慢すると見込んでジーラッド聖皇国を先に潰して海に出る予定だったがジャミール戦が先に始まってしまったので予定が狂った、神様をダシにして戦争を吹っかける国などさっさと潰すつもりでいたのだ、東側はジーラッドと東方共和国群と呼ばれている群雄割拠状態の場所しか国家が無いので攻め滅ぼすのも簡単だと思っていた、人口も多いのでかなり儲かる予感がしていたのだが、ジーラッドに戦争をふっかけられ決着が付いていないので密輸でコソコソ稼いでいる状況だ。
ジョージがやってくれるなら安心だ、鶏は運ぶのが大変なのと、工房はすでに稼働していて場所を変えるのも大変で、ブドウ畑は動かせない為、大豆畑と乳液の製造工場だけ新領地に持って行くことにした、鉄道関連の製造開発部門は本店扱いにしてここに置いて残りの事業は全てジョージに任せる事にした
「商会名を変えても良いよ」
と言ったがそこは断られた。
領主は財務卿が責任を持って良い代官を手配してくれるので税制については現状維持が保証されている旨を伝えた。
大豆はこの領地で最初に育て始めた作物だが、こだわりは無いので家畜の飼料用に育ててもいいし、畑を潰して住宅地に転用してもいい旨を伝えた、ジョージが好きな様に商会を変えてくれる様に頼んだ。
「大豆は牛、馬、鶏とかの家畜の飼料、味噌と醤油の製造、後は煮込み料理の具材、それと乳液の材料にも使っていたのでかなり広く栽培していたんだ。」
「大豆ならどこでも育つからここで育てなくとも大丈夫なので土地を有効に活用してくれ。」
「ミハエル商会製の馬車は売行きが良いので馬産の事業を厚くしようと思います、少し大豆の作付けを減らして牧場を広げたいのですがよろしいですか?」
ジョージがそう言うので
「好きに儲けてくれ、ここはジョージに任せるよ。」
と答えておいた。
確かにサスペンション付きの馬車は売行きが良い、板ばね付きより耐久性が上がっているので荷馬車に最適だ、鉄道の技術をフィードバックして作ったので品質も問題ない。
この世界ではスプリングって言う発想に行きつかない様だ。
馬車を引くには馬が必要だし、トラック輸送をしているのはこの領ぐらいなので馬は結構儲かるかもしれない。
流石はジョージだ。
大体決まったので領民に領主交代の事を知らせた、みんなそれぞれ土地や財産を持ったので一緒に着いてくる住民は居なかった、みんなちゃんと定住先を得たようだ、頑張った甲斐があると言うものだ。
ダワフーのところの職人が暖簾分けしてもらって着いてくる事になった。
店ぐらい必要こちらで用意してやろう。
ボロボロの難民だった人々が定住出来てよかった、ザハト帝国は亜人種の差別があまり無いのもよかっただろうが何も無かったこの領をみんなで開拓した一体感もその一員であっただろう。
ダワフーから独立した連中は新領地で商会の建物作りが初仕事だ、着いて早々に忙しいだろうが仕事が無いよりは良いだろう、今の建物の設計図を分けてもらって来る様に伝えておかねばならない。
しばらくして帝国と商会の準備ができたので領地の引き継ぎをして出発する事になった、真面目そうな官僚と思われる代官に領地を引き継ぎ、治安はうちと縁がある第四騎士団に引き継いだ、特に問題は無かったがブレイバーズの人気が高いのは驚いた、普通に盗賊や魔物を狩っているのに偉ぶらないのが良かった様だ領民に見送られて列車に乗り込んだ。
折角開拓した領地を去るのは寂しいがルミシールの件もあるのでこれでよかったと思う、今度は圧政に苦しんだジャミールの民を富ませてやろう。
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