第10話 旅立ち
今日から外套が出来上がるまで出発準備する事にしたので日課のギルド訪問は行っていない
とりあえず門の外の邪魔にならない場所で天幕を組み立ててみる事にした
平らで良さげな場所にアイテムボックスから一式取り出して組み立て始める、骨組みは結構良い作りで軽い木材と力がかかりそうな所は何かの骨を加工して軽くて丈夫に作ってある
が、1人で組み立てる様には作られていなかった
部品単体を組み立てる事は出来るが組み合わせて立ち上げるのは1人では無理だった
試行錯誤してもがいていたら、通りかかった顔見知りの冒険者が手伝ってくれた
「ここにクランハウス建てるのか?」
とか揶揄われたが、道具屋のオヤジに押し付けられたので試しに組んでみている旨を話したら笑って去っていった
骨組みが完成したのでロープを回して天幕を引っ張り上げて固定して行く、途中手伝ってもらって完成まで約3時間かかった、人数が居ればもっと早く出来るのだろうが、1人で使うなら全く実用性が無い
ここからまた1人でバラしてしまうのも面倒なのでそのままアイテムボックスに押し込んでみた、取り出したらどうなっているのか考えたく無いのでこの天幕の事は忘れる事にして、2人用の簡単に組めるテントを買った、ついで薪も大量に買った
帰り道にギルドに寄って、もうすぐ町を出る旨を話して、世話になったお礼を言ってから宿に戻り荷物を整理しながら足りない物を書き出しておいた
今まで魔石は全部売り払っていたので在庫が無かった、明日にでもゴブリン村を潰しに行って来ようと思うヴィットマンであった
晩飯まで魔法の鍛錬をしてから食堂に降りる
今日はユーイリンがまだ売れ残っていたので交渉する、最近は人気が出たので他の客をボッタくっている様だが俺には今までの金額でOKって事で飯を奢って一緒に食べてからお持ち帰りする、全身を洗ってあげてからいつも通りに致す、相変わらず弱々だ
終わってから近々町を出る話しをしたら売り上げが下がると怒っていた
(何か思う所がある表情だったが敢えて知らないふりをしておいた)
もう一度洗ってあげてから解放する、前は一回でフニャフニャになっていたが最近は多少強くなった様で元気に次の客を探しに行った
次の日から2日間は冷たい雨が降ったので宿で魔法の鍛錬などしつつゴロゴロして過ごした
3日目の朝、起きたら天気が良かったのでギルドに顔を出してから森の奥にゴブリン狩りに出かける、村は出来ていなかったが放っておくと村になりそうな集団を幾つか潰してから町に戻った
今日入荷した魔石は売らずに取っておく、小さい魔石は魔道具に使えるからだ
帰りにもギルドに顔を出したらギルマスが出発した様で
「ヴィットマンよろしく言っといてくれ」
と職員に言って出かけて行ったらしい
それから町を歩き回って足りなさそうな物を買い漁って宿に戻った、馬も買おうか迷ったが維持が大変なのでやめた、走れば馬車よりは早いし餌代も自分の分しか必要無いし、荷物はアイテムボックスに入れれば手ぶらなのでやめた
部屋に戻ってから軽く全身を洗って飯を食いに下りる、今日はあまり良さげな娘がいないので部屋に戻って魔法の鍛錬をして就寝した
次の日は少し曇っていて肌寒い感じだった、武器屋に顔を出したら雨降りで暇だったのですでに完成していた、兜も良く見れば高級品だと判るがパッと見にはあまり目立たなくなった
外套もフード付きでかなり格好よく仕上がっていた、これも良く見れば高級品だがパッと見には地味で目立たなくて大変気に入った
余った飛膜を売ってくれる様に頼まれたので、胸甲と小手と物々交換した、今まで世話になった革鎧は
「俺みたいなルーキーにプレゼントしてやってくれ」
と返却した、手入れもしっかりしてあるし臭くも無いのできっと喜ばれるだろう
(ちなみにこの鎧を引き継いだルーキーがカイトの次に銀剣のリーダーになり、ヴィットマンの革鎧として永く伝えられる事になるが、これはまた別なお話で)
準備が整ったので露天を回って野菜の類いを買い漁ってパンもいつもの店で大量に購入した
ワイバーンの素材を買い付けに来ている商人なのか見慣れ無い顔が結構見える、町も少し活気がある様に感じた
宿に戻り明日の朝引き払う旨を伝えたら預けてある金を返金しようとしていたので「長く世話になったからチップがわりに取っといてくれ」
とサービスしておいた、この町に来てからずっと高級宿での生活を維持できた
(イシリス様ありがとうございます)
部屋に戻って軽く全身を洗ってから飯を食いに行く、最後の夜だから誰をお持ち帰りしようかなと思っていたらソニアから声がかかった、ソニアは娼婦のボスなのかと思っていたら、どうやらこの宿のボスだったみたいで客を取る事はほとんど無いらしい、興味を持った相手を趣味で食っているとの事だが、一度返り討ちにしてからは声がかかる事は無かった
ディナーを奢って一緒に食べて話していたらお礼を言われた、ユーイリンやナッシュの他にもお持ち帰りした娘のほとんどが人気が出て少し生活が良くなったと感謝された
持ち帰ろうと思っていたのだが、なんかそう言う気分では無くなってしまったので別れを告げて部屋に戻って魔法の鍛錬をして就寝した
次の日の朝、天気も良く出発日和になった
部屋の鍵を返していつも通りの時間に朝飯を食べて宿を出る、宿の前に見知った顔の集団が出来ていて次々と別れを告げられた、思わず泣きそうになったが何とか堪えて笑顔で出発した。
まずはシャハトを目指して走り出した
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